日頃は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
おかげさまで次月8月より12年目を迎えさせて頂き、弊社の取り組みも、まだまだ微弱ながら、大きな波への兆しを感じつつ、子犬とお客様、ブリーダーさんのご縁つなぎを、日々誠意一杯取り組みさせて頂いております。
ブログは大変久しぶりの更新となってしまいましたが、ここ最近大きな変革期に入っておりますペット業界全般につきまして、多々に渡り感じますことを、一度皆様にも発信・共有してまいりたいと思います。
内容としましては二題に分けて、
1.新たに大幅に改正されます繁殖における動物愛護法について
2.ブリーダーさんから迎えれば大丈夫というトレンドから、ブリーダーさんをしっかり見極める時代へ
本日はまず、1の題材につきまして私の考えを綴ってまいりたいと思います。
現在、繁殖においていの動物愛護法が順を追い厳格に改正されております。
本改正の繁殖面において、安易に子犬を産ませられないよう厳しく制限を設け、取扱業の登録要件として資格の取得を義務化したことには大いに賛同いたします。
世論含め今回の動物愛護法は業界全般的に賛否をよんでおり、当方の見解を本ブログにて発信させて頂きたいと思います。
まず当方、提携犬舎では、これからブリーダーを志す方には、繁殖を取り組む前に、事前知識の習得が重要な旨をお伝えさせて頂いております。
事前の知識とは何か?
繁殖の場とは、新たな生命(いのち)が生まれるこれ程とない幸福感に包まれる感動的な場であり、反面、知識の無さゆえ、子犬の命を目の前で落としてしまう、耐え難い程の辛さ・悲しみ・後悔を背負っていくことになり得る場です。事前の知識習得というものが大変重要となり、素人と経験者では、生死を伴う判断の差が出てきてしまいます。
出産は母体に多大な負担をかけます。愛犬に生命(いのち)の危険が及ばぬよう、誕生する子犬の命を落とさぬよう万全の準備を整えられ、生命の保全を担保出来た上で取り組むべきなことです。
こと人に置き換えてみれば当然のことですが、生命に関わる、扱う場に従事する場合、専門知識の教養が責務です。ワンちゃんの命も変わらないはずです。
厳しい意見になるかも知れませんが、単に愛犬の子孫を残したいという人間のエゴや安易な考えだけで、生死を左右する行為に取り組むべきではないのです。取り組む場合は、生命に携わる覚悟を決めしっかり事前に知識を習得することが必要です。
当方パスレルワンでは、この考え・想いを基本方針として持たせて頂いております。
取扱業に置き換えますが、繁殖・出産により大きな負担をかけさせる母体、生まれてくる子犬たちの生命を落とさぬ為にも、業取得にはより難易度を上げる国家資格取得を義務化することで、当方方針である経験に追いつく知識の事前習得につながり救える生命も増えることと思います。
繁殖に携わる人スキル・モラルのレベルをしっかり上げ、明確な理由のない生命をむやみに産ませない、誕生した生命は死なせない。これが本当の繁殖における動物の愛護ではないでしょうか?
スペースや、運動回数等把握・管理することの難しいボトムアップよりも、資格取得は全体の底上げに間違いなく大きく繋がる部分だと考えます。ただ、冒頭"取扱業の登録要件として資格の取得を義務化したことに大いに賛同する”と申しましたが、現在取扱業取得の該当要件を満たした資格等では、お世辞にも業界のボトムアップに繋がるものとは言えません。
資格のハードルを上げることで、安易な営利主義だけのパピーミルたちを精査でき参入を防ぐ為一つの策になるのではないかと感じます。
ただ、動物取扱責任者を別に立てる輩もおりますので、法とのいたちごっこになり兼ねませんが・・。
昔から、まじめなブリーダーさん程しっかり遵守し、息苦しくなり、業界のモラルを下げる輩たちは、抜け道を探しては違反すれすれのグレーゾーンで継続しては、業界に寄生し続けてきました。
今回の愛護法改正は、実際何十年とまじめに取り組んできた、弊社のお取引ブリーダーさん方の引退や首を絞める原因になり兼ねない施行もあり、懸念を抱いている部分もあります。
本改正により、これからワンちゃんを迎えられるご家族様方にも影響は出てまいります。
犬舎の頭数制限や、繁殖回数制限により、出産頭数は減ってまいります。
それにより需要と供給が崩れ、今以上に高騰してくるであろう子犬たちの生体価格、ワンちゃんを飼える方が経済的に余裕のある富裕層しか飼えなくなる日が近いかもしれません。ペットショップではペットローン等を用意しておりますが、弊社では推奨できません。
ワンちゃんを迎えると、定期的にかかってくる養育費やトリミング費用、医療費用等の突発的な出費も出てまいります。
ワンちゃんを迎えるタイミングは、経済的に余裕のある中で迎えらえることを、皆様には常日頃、推奨させて頂いております。
ワンちゃん・飼い主様を取り巻く業界全般にも当然大きな影響が起こってまいりいます。
全体の飼育頭数者が減ってしまい、動物病院、トリミングショップ、ドッグフードメーカー、洋服メーカーなど様々な会社が倒産していくこととなるでしょう。
そしてもっとも深刻な、頭数制限によって、溢れ出すであろう里親や保護犬たちを誰が一体面倒を見てあげる制度改正なのでしょうか?国が里親、保護犬たちの命を補償してくれるところまで考えておりますでしょうか?想定される数を受け入れるシェルター等、新たな設立の話は出てきておりません。
本改正を業界改善につながる話と捉え、反対はいたしませんが、厳格化した改正後の深刻な事態の発生を予知し、今少し段階を経て行う期間が必要かとは強く感じております。
次回は、
2.ブリーダーさんから迎えれば大丈夫というトレンドから、ブリーダーさんをしっかり見極める時代へ
について綴ってまいりますので更新お待ちくださいませ!