姉は運動以外にも母を喜ばせた事がある。

姉はとても話し好きで、母に様々な情報を提供していた。

学校での様子や、友人や友人の家庭の事、

それに加え、通学の際に目に入った街の変化についても、

話題は多岐にわたっていた。

新聞や読書では得られない身近な情報は、

母にはとても嬉しい事だっただろう。

2人の会話は、毎日どちらからとも無く始まり、長々と続いていた。


姉とは違い、私は口下手だ。

それでも、子供の頃は何度か2人の会話に入ろうと挑戦した事がある。

だが、「人の話に口を挟んではいけない」と言われ、

そのうち挑戦する事をやめてしまった。

終わりのない会話の隙間を見つける作業は、

私には難しすぎた。

母や姉とは、話の波長が合わなかったのだろう。


母が他の人に私の事を話す際、「本当に話さない子なので、何を考えているかわかり辛いの」と言っていたが、その際いつも思う。

一応、話す努力はした。



私の口下手は、大人なり少しはマシになったと思う。

だが、今でも会話の際は、脳内小パニックになり、

緊張してしまう。


姉は今でも毎日母に電話をかけているらしい。

2人とも思う存分話せる様に、かけ放題契約にして。

私はと言うと、元が取れないかけ放題契約は一生無縁だろう。



つづく