なぜ名前に〈式〉が入っているのか?、サクマ式ドロップスの話。

 

 残念ながら一昨年春、会社は閉じてしまったのですが、四国の遍路宿にはいまだ、缶のサクマ式ドロップスが、求めるお遍路さんに売られてました!

 

 

 そもそもと社史を紐解いてみると、ドロップス製造を夢見た明治の桐沢枡八までさかのぼります。枡八はアメリカからドロップス製造機を日本に持ち帰る。しかし国内でドロップを製造しても国内で売れず鳴かず飛ばず。

 

 その枡八の弟子の佐久間惣治郎は、神田に三港堂という菓子屋を開きドロップス製造販売に再挑戦、プライドを込めて〈サクマ式〉の名をつけます。その後戦時中にいったんは廃業しますが、のち横倉某が会社を再興。一昨年1月20日まで〈サクマ式〉ドロップはつくられていましたが倒産。今は別会社の、サクマドロップ〈式なし〉が製造しています。

 
   
 
 ↑ベランダで咲き始めたイカリソウ

 

 

 ところで、コロナ明けを待って四国を回ると、多くの老舗の遍路宿が廃業していました。残念なことです。

 お遍路さんの激減、経営者の高齢化、クルマ遠路の増加…、時代の波です。サクマ式ドロップスもまた。

 

 

 正岡姓いよいよ松山花遍路

 

 地図開き廃業と記す遍路宿

 

 

 現代俳句の父正岡子規、歩いていると正岡姓ばかり、そんな松山近郊でした…