手元にある無患子ムクロジは、静岡御殿場の旧岸邸、東山荘で受付さんにいただいたもの。お正月の縁起物の羽子板の黒い玉としておなじみ。固くてカンカンといい音がします。さてこの東山荘は、昭和の巨魁岸信介の孫、故安倍晋三少年もこの庭を駆け回った山荘です。
その派閥が今、大きな失墜の中にあるのは連日のニュースでしられています。
無患子ムクロジは磨けば磨くほど黒い、
この言葉は、もって生まれてきた性質は決して変わらないという例えとして使われます。釈迦は無患子108個をつないで数珠を作り弟子に渡したと言われています。また漢字表記「無患子」には、大切な子が病気にかからないように、という親の切実な願いもこめられています。
さて、意外なことに、この無患子と同じ仲間に分類されるのがかの可憐な風船葛、夏に小さなシロバナと涼しげな緑の風船を吊るすフウセンカヅラ。種を取り出すと、ハートの顔をつけた黒い種。確かに小さいけれど、固くてまんまる。
無患子を掌に転がしぬ過ぎしこと
無患子を殻ごと鳴らすティールーム
抜け出して語らふ同士忘年会