嬉しい悲鳴として

お祝いラッシュだったあの頃。

皆して登山の登りのように

往路を過ごした。

紅白のお包みばかり持ち歩いた記憶。


母の言葉を思い出す。

白黒のお包みが増えだす頃

人生の折り返し地点。


ここ数年

あぁUターンの時期が来ましたか。

そう自覚する。


かつては

友人、知人の

祖父母、或いはご両親の喪報を

耳にすることはあったけれど

当の本人達と

病気や自死などで

さよならすることがでてきた。


復路

それを自覚した時

どんな感じだろうか、と思っていたけど

案外幸福なもので

へぇ~こういう気持ちか、と思う。

そりゃちったぁ淋しいけども

自然の流れに背いていないような

自分も地球の一員である、というような

そんな、気持ちになったりする。


得ていく時期から手放していく新たな愉しみを

如何程見出せるか。

これからだね。


積み上げては叩き壊し

重ねては積み下ろし

常にサラチみたいに来たから

その繰り返しのような

気もするけど。


夫が早くに亡くなった

という知人にも

時折出会う。

四人目のお子様を妊娠中に

夫が病気で急死。

失望などしている暇もなく

この度司法試験に合格した旨

地元新聞に取り上げられていた。


人が還暦で赤ちゃんから再スタートするように

人生の折り返し地点は

残念な事でも、落胆することでもなくて

もう一度残った余力や蓄積した希望を持って

確実に歩みだす

そんな季節なのかも知れないなぁ・・・と

感じる。


なんだか

もうひとつ人生が始まるみたいだ。