Winback 17 | ~ 嵐気に包まれて ~

~ 嵐気に包まれて ~

嵐さんのメンバーのお名前や雰囲気をお借りした読み物です。
腐的描写や暴力的シーンがあります。
気を付けてご訪問ください。
山、大宮、櫻葉、モデルズ、にのあい等、様々なCPのお話がありますので
お気に入りのCPでお楽しみください。

メンバーのお名前や雰囲気をお借りしたお話です。

最初のお話はこちら ⇒ 「Winback 1」

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決行は深夜2時と決まった。

 

大野によれば、午後7時に開始となるオークションは、出品数が少ないため
8時か8時半には終わるだろうとのことだった。

客が退出した後、オークション用に準備された機器やテーブルが運び出され、
展示会の時と同じレイアウトに戻される。

障害物が多いとレーザー探知装置での警備に支障があるからだろう。

 

落札された商品は、クルーズ終了後に落札者に送り届けられることになっているため、
そのまま展示室に残される。

午後11時には展示室は閉鎖され、周辺も広範囲に渡って立ち入り禁止となり、

夜勤の警備員2名が監視カメラの映像とレーザーのチェックを行うこととなる。

 

 

 

『今、オークションが終わった。』

 

大野から連絡が入ったのは8時20分だった。

展示室の出口では、松尾香織がにこやかに挨拶をしながら客達を送り出している。

オークションでいい値がついたのか、かなり上機嫌だ。

 

他の客達に混ざって展示室から出てきた大野が、
ラウンジへと曲がる角で目立たぬようにすっと流れから逸れる。

 

向かった先は第2セミナールームだ。

周辺に人がいないことを確かめ、素早くドアを開けて中へと入る。

 

「お疲れ~。」

 

囁き声で出迎えたのは櫻井だった。

ドアを施錠すると、プレゼンをする時に講師が使う演台へと大野をいざなう。

 

「ここなんだけど・・・。」

 

指さしたのは演台の真上にある通風口だ。

おそらくセキュリティの強度の違いなのだろうが、この部屋の物は展示室よりも大きく、
人がなんとか通り抜けられそうなのだ。

 

「ん~・・これは邪魔だな。」

 

ジャケットを脱ぎ捨てた大野が身軽に演台に飛び乗ると、
ドライバーを使って通風パネルのネジを外してゆく。

8つあったネジをあっという間に外し終わると、パネルを持って引っ張る。

 

カタカタッ・・ガタッ!

 

外したパネルを演台に置くと、両手を枠にかける。

 

「肩貸そうか?」

 

「いや、いい。」

 

そのままぐいっと懸垂の要領で体を持ち上げ、肘をかけてダクトの中へと潜り込む。

 

「すごいな~。 俺には絶対無理だわ。」

 

体操選手のような大野の身のこなしに、櫻井が感嘆の声をもらす。

 

「うえ~・・・ほこりがすげぇわ。」

 

「ははっ、だろうと思って、ほら。」

 

櫻井が差し出したのは布製のリュックサックだ。

 

「その中に必要な物が入ってるから。

 懐中電灯と水と食料と、あとタオルとかマスクとか・・携帯トイレなんかもね。」

 

「用意のいいことで。」

 

通風口から顔だけ覗かせた大野がうんざりしたように言う。

決行時間の2時まで5時間以上をこの中で過ごさなくてはならない。

 

「あっ、一番大事な物を忘れるところだった。」

 

そう言って櫻井が演台の下から取り出したのは、大きな図面ケースだった。

この中に『春の詩』の贋作が入っているのだ。

≪つづく≫

 

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部屋の配置がわかりづらいと思いますが、適当で大丈夫ですよ~。

大野さん、こういう動きってめっちゃ簡単にやっちゃいそうじゃないですか?

尊敬の眼差しで見上げる翔さんも目に浮かびそう(笑)。

そういえば「マトリョーシカ」は人間関係が複雑で謎が深まってきてますね~。

そして高岡さんの美魔女ぶりがすごい。

 

 

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