覆面レスラーと言えば
デストロイヤーと
ミルマスカラス

昨日　出掛けた巣鴨で
ちょいと時間があって
ならばたまにはと
駅前のそこへ

闘道館

そう
プロレスから相撲まで
格闘技グッズの専門店

入るなり
その真正面には
猪木さんのガウンが飾られ
圧倒される

店内には
雑誌　ポスター　サイン　衣装
チャンピオンベルト　覆面　
フィギュア　カード　写真… と

所狭しとお宝が展示され
欲しい物ばかりが並ぶ

特に
ミルマスカラスの覆面には
ガキの頃からの憧れがあって

安物のレプリカならば
手元にあるけれど
本人使用の本物ともなると
さすがに手が届かない

それでも
ぐるりと周ってみると
なんとそれを買いに来たお客さん

店員さんと

楽しそうに話す会話を聞いて

なんだか
嬉しくなって声を掛けた

聞けば
マスカラスは
もう日本に来れないとのこと

もう飛行機に乗れないのだそうで
並ぶお宝のマスクは
年々　高騰し
いずれ手の届かない価値にもなると

力道山には間に合わなかったけれど
猪木　馬場で育ち
ビルロビンソン
カールゴッチ
ルーテーズにも間に合い

やがて
ミルマスカラスが現れ

その後
タイガーマスク
ダイナマイトキッドまで

あの頃のプロレスは
とても楽しかった

そんな全盛期を
リアルタイムで観れたから
こうした
わずかなきっかけで
あの頃の想いは一瞬で再燃する

僕の中での最高峰は
やはり
ダイナマイトキッドと
ミルマスカラスで

キッドはすでにこの世にはなく
マスカラスもまた老いてしまった

語れば
キリなく言葉は出ても来るけれど
今それを解る方々が少なく

まさに
わかるかな
わかんね　だろな　の世界

そうだ

僕も
あのマスクが欲しい！

昨日
迷うことなく
これ下さいと微笑んだ
僕と同世代のお客さんの
買い求める瞬間を見てしまったから

次回のそこではきっと
これ下さい！　なんて
僕も口に出しているのだろう

時代はいつの間にか
50年も流れ
格闘技は衰退してしまった

けれども
繁栄したあの頃を知っている
僕ら世代にとっては
今まだ心の中で生き続けていて

同じ価値観を持ったどなたかを
探しているのかもしれない

そう
プロレスは　ミルマスカラス
ボクシングは　カシアスクレイ
キックは　沢村忠… なんて

闘道館にて