年に2度
小田原へと出掛けるのは
親父とお袋とのお使いで

6月と12月
それが切れる前に…

国道1号線沿いに
降って湧いたようなお城があって
なんと　それがお店

ういらう　という店で
来客にだけ限定で販売している秘薬

透頂香

見掛けは
仁丹のような銀色の粒

それを
日に数粒服すと
健康を保てるらしい

そう
本当のことは分からないけれど
すべてに効くという
昔ながらの万能薬

それが
どうやら親父とお袋には
効いているのだろう
元気でいてくれる

しかし
この時代に於いて通販はせず
また
どんなに遠方から来ても
たとえ地球の裏側から来ても
ひとり2箱まで… なんて殿様商売

それは
秘伝の薬剤の調達が難しのと
昔からそうして来た店の方針

そう
わざわざ小田原まで出向かねば
手に入らないという
仕切られた価値観と
小田原へ来て頂くことで
街もまた栄えると考えたのだろう

無い物ねだりの価値観は
やはり
気持ちを高ぶらせるはずで
薬の持つ効用よりも
病は気からみたいなことも
またあるのかもしれない

いずれにせよ
そこへと出向かねば
手に入らないのだから
年配の方々はこうして
どなたかに頼まねばならない

現在は
コロナ禍により
ひとり3箱箱まではと
緩めて頂いてはいるけれども
それでも
ひとりでは用が足りず
カミさんと出掛ける小田原

もちろん
せっかく来たからと
小田原の街をぶらり散策する

時折
こうして出掛けるのもまた
良い気分転換となり
次回は
小田原から箱根か
それとも
大磯　平塚　茅ケ崎　辺りまでもと
海を見ながら
西湘バイパスを飛ばす

次回は半年後
さて
それまでに美味い店を
探しておこうか…

小田原にて