二日ほど
寝れず咳き込んだが為か

忘れてた腹の傷の
腹壁瘢痕ヘルニアが痛み出し
そろそろ
考えねばならんかと思う

それでも
1週間の入院と
全身麻酔による手術ともなると
腰が引けてしまい

それは
今すぐでも良いし
もう少し悪化してからでも良いし
また
このまま変わることなく
生涯を終えることもあるとの診断を
思い出すと

もう少し
誤魔化しておこうかとも
思ってしまう

体調が弱ると
気持ちも落ちるもんで
仕方なくも
あれこれと考えてしまう


昨晩は熱が下がらず
咳も止まらず
わずかに寝ては起き

久々の体調不良に
寝たきり老人のようで

こんな時
カミさんは娘の手伝いで留守

もしや
このままひとり
まさか… なんて

すれば
短い夢ばかりに追われて
汗びっしょりで
生還する


次の選挙
ウチから出ませんか? と
太郎さんは微笑んでいる

政権を取る氣なら出ましょうと
僕もまた微笑む

それには
それ相当の人を集めねばならないが
このチャンス
追い風にはならずとも
無風にはなった

自公連立も
そろそろ時間の問題

それからもうひとつ
政権を取った時
僕を環境大臣にして下さいと

ニックさんの志のまま
暴れねばならない

森を取り戻し
河をも取り戻し
失い掛けてる動植物たちをも
取り戻さねばならない

そしたら
民間から多くの有志を起用し
5年で成果を出しましょう

すると
ニコルさんには
手伝って貰わなくても良いのかい?と 太郎さんは微笑んで
こちらへと案内された

そこには
それは大きな
ドーム型の機械があって

訊けば
機密で完成した
試作のマシンだという

それは
肉体を失って次の次元へと上昇した
オーブたちとの交信が出来るそうで

しかも
その方が生まれ変わってなければ
どこにいても
探し出すことが出来るそうだ

ならば昨今
僕にはそれが見えて
一方通行ながら
会話は成り立っていると…

本当ですか?
ではすぐに
ニックさんを!

すると
そのマシンの液晶パネルには
レーダーが探知した画像が
映し出され

なるほど
黒姫の森かと
嬉しくなったけれど

ニックさんは
大の都会嫌い
こちらに呼ばないで欲しい

僕らが黒姫へと
出掛けましょう

そう言うと
その大型のマシンを
巨大なトレーラーに積み込み
遥か黒姫へと

森へと着けば
僕には居場所は分かっていて
マザーツリーに宿っているはずと
急ぎ足

すると
待ってたよ とニックさん

キミには
そんなマシンは必要ないはず
もうすでに
聞こえてるだろ?

話は
すべて分かった

キミはここ
黒姫から出馬して欲しい

私が必ず
勝たせる!


さて
選挙戦は始まり
多くの方々を両立し
小選挙区で勝利し
政権を取った

公明党が是非
連立をと近づいて来たが
跳ね除けた

単独で過半数を取り
これならきっと
参議院選もいけるだろう

すれば
この国にも平和がと思ったところで
太郎さんが撃たれた

しまった!
油断した

ならば僕がと
総理になった…


総理
外交はどう致しましょう?

鎖国だ!

この国だけで
取り戻す

慌て
トランプが飛んで来た

日本が必要だ
アメリカとだけはと…

では
これまでの条約は
すべて破棄して頂き
対等で行きましょう

それから
この国はやはり狭い

対等ならば
どこかの州をひとつ
頂きたい

カリフォルニアは
物騒だから
ユタが良い

いずれ
中国が攻めて来るだろう
すれば
この小さな国
簡単に終わってしまう

その前に
そっくり
ひとつ残らず
ユタへと引っ越すから
手伝ってくれ

スカイツリーも
富士山もだ!

どうやって?

すべてを
このマシンでオーブ化し
一気に移動し
また元に戻す

魔法のようだ

そう
いつか地球ごとオーブ化し
太陽系外の場所へと
運ぶ予定さ!

えっ? と
トランプは叫んだ!

そこで

汗びっしょりで

目が覚めた