いつか覗いてみた

ご近所の豪邸の庭には

コンクリートのタタキの場所に
鉄板のドアがあって
これは? と問うと
核シェルターですよと微笑んだ

えっ? と返すと

私は
それを輸入する仕事をしてまして
そのモニターを兼ねてと
笑ってみせた…


あれだけ
夢に現れなかったぱふが
太宰府へと願い出てから
頻繁に夢に現れ
夢の中で僕を連れ回す

今朝は
犬 特有の庭を掘る夢で
前足で一生懸命に掘り
さあ こちらへと誘い込む


ここ掘れワンワン

黄金小判がざっくざく! かと思っていると


そこは
シェルターとなっていて
そうだ
核シェルターだ

これから半年ほど
ここでと言う

どうした? と問うと

とうとうロシアがと…
だから
これを準備して待ってたと…

えっ? と不安そうな僕に
大丈夫ですと ぱふ



私は未来から送られて来た使いで
貴方の6代先の子孫から
貴方を守れと指令を受けたと

そして
それは貴方だけでなく
更に6代先の善次郎をも守れとの
指令もあり

そう
浪士組から新選組へと移る過程で
新選組への加入を止めさせねば
我々の未来へと繋がらないからと…

では僕は?
僕はただの繋ぎ役で
一族の中での役目は
それだけなはずだと問うと

いえ
それは6代ごとに課せられた
最重要な使命があるから
守らねばならないと言う

そしてそれがまさに今で
偶然を装い
出会って11年
この日の為に
少しづつ未来から運んだ
シェルターが完成したと

間に合って良かった
これで私の使命は終わりましたので
未来へと帰らねばと
ぱふは言う

シェルターに備わった
外部モニターには
とうとう使ってしまった
核の様相が映し出され

大変だ! と
思ったところで目が覚めた



まさか? と思いながら
窓を開けると
東の空は赤く
今朝も変わらぬ太陽が昇り始めた

急いでリビングの
ぱふの祭壇へと向かい
ロケットをポケットに押し込み
手を合わせた今朝

キナ臭くなって来た世の中
人間たちは

いつまで争うのだろうか…



地球は

未来は

大丈夫なのか


教えてくれ

ぱふ