も〜暑いのなんのって、毎日40度越え。脳も溶けて仕事にならない。汗が滝のよう。。
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歴史に詳しい人でなくても聞いたことがあるかもしれない中央アジアに広がる有名な地名、「フェルガナ」。
現在はウズベキスタン、タジキスタン、キルギスの3カ国で国境が引かれてしまったけれど、フェルガナ盆地と言えば、かつて馬の名産地として知られ、「大宛」という名で中国史に登場する。
古代中国では、血の汗を流しながら一日に千里も走ると言われた「汗血馬(かんけつば)」。
⇩「汗血馬」さん。上記ウィキペディアからお借りしました
その昔、北方の遊牧民族である匈奴との戦いで、質の高い馬を求めていた後漢の武帝は、張騫(ちょうけん)から大宛国にいる汗血馬の噂を聞きつけ、中原から遥々西へ西へ、山越え谷越え砂漠越え、大宛国まで兵を派遣した結果、苦労の末にようやく汗血馬を手に入れたというのは有名な話。
(張騫の活躍は陳舜臣『熱砂とまぼろし〜シルクロード列伝〜』をどうぞ)
遥か彼方のアウェーの地で他国と戦ってまで馬が欲しいっていうその武帝の執念よ。。
いやいや、そこまでさせる汗血馬は素晴らしいね!
ちなみに一里=約4キロ。ということは、一日で4000キロも走る。
どれくらいの距離かっていうと、日本列島の南北の距離は、最南端の沖ノ鳥島から最北端の択捉島まで2787キロ。東西の距離は、最東端の南鳥島から最西端の与那国島まで3146キロ。
⇩国土技術センターさんからお借りしました。サイトはこちら。
汗血馬、すご!
同じように汗かいても、一日千歩も歩かないような駄馬の私とは大違いだよ。
日本狭しと右往左往にたった一日で高速移動できるね。きっと中央線特急より速いんだろうな汗血馬。乗って出勤したい。
ちなみに、東京からソウルまで1157 キロ、マニラまで2995 キロ、ハノイまで3674 キロだそうですので、飛行機の手配が間に合わなかった企業戦士の皆さんには飛行機の代わりに汗血馬での海外出張がおすすめです。
(馬が溺れなければギリ最初の会議に間に合うはず)
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そのフェルガナにおいて、かつての中心地だったコーカンドなどの諸都市は、現在、ウズベキスタンの領地内に位置する。
大宛国時代に居住していたペルシア系住民が今のトゥルク系ウズベク人に代わった後も、近世にはコーカンド=ハン国を戴いていた誇りがあってか、フェルガナの皆さんは非常に団結が強く、郷土愛に溢れている雰囲気がある。
馬産地であったことからも、地理的に農業の栽培に向いている上、人口も多く密度も高いことから、気温が味方した養蚕業、そして製糸業や繊維業などの集積型産業が発展しやすい。
・・・と、固い内容になっちゃったけど、今回は馬じゃなくて絹の話です!
前はタシケント近郊の養蚕農家の話をしたけど(こちら)、今回は織物産業が盛んなフェルガナで、繭から生糸、そして絹織物になる様子を追ってみました。
自分でここまで書いといて、「汗血馬の話はどこに行ったんだろう」とオチが迷子で冷や汗かいてる。
私の汗血馬、どこ行っちゃったの?
完結(かんけつ)しないや。汗血(かんけつ)馬だけに。
誰か私を殺して〜www
(続く)