作品展に向けて 平塚弘子さんのドリームワンダー | ROKA BLOG

作品展に向けて 平塚弘子さんのドリームワンダー

暖かいかと思ったら、急激に寒が来る・・・。これに植物はダメージを受けます。

今日の圃場です。

遠目に見ると順調に育っているようですが、年末の寒でかなりダメージを受けました。

 

平塚弘子さんは今年は育苗されていなので、ここから展示用の苗の拾い上げを始めています。回復すればいいのですが…。

 

で、平塚さんと言えば‘ドリームワンダー’、外国から来たパンジー・ビオラはこの花の登場で“日本人の花”になりました。

 

つまりは日本人の美意識が反映された花が、この‘ドリームワンダー’ということです。

これまで誰も顧みなかった悪しきとされた形質の「焼け」を育種に利用した世界で初めての品種になります。

 

これまでのパンジーに無かった「渋い」色合い、この表現が初めて使われた花でもあります。

「焼け」とは何ぞや?

 

ブロッチ部分を見てください。日焼けしたような感じで光沢があります。これが「焼け」。

 

これはプリムラなど他の植物でも出てくる形質で、これが出ると「花色が汚くなる」、「花弁が乱れる」などの理由で直ちに排除(廃棄)されるものでした。

 

ところが平塚さんはこの形質に魅力を感じて追及したところ、どこにもない花が誕生したのです。

ブロッチ部分は光が当たると蝶の鱗粉のようにキラキラ光ります。「銀色」というこれまでになかった花色の取入れでもあります。

 

どのような仕組みで焼けの部分が光沢を帯びるのかは、すぐに排除されてきたものなので詳しく調べられていません。

 

観察するに、花弁の表皮部分の水分が飛んで色素が凝縮されて光沢を帯びるように見えます。昔の人だったら「赤チン」をイメージすると分かりやすいかもしれません(笑)。

 

価値がないものに積極的に価値(美)を見出すのは「わび」、「さび」にもつながる日本人の美意識です。まさに、‘ドリームワンダー’はそんな花!

 

「焼け」は以前は業界の方が知っている用語だったのですが、一般の方にも浸透してきました。

 

また、このドリームワンダーの「焼け」を別の言葉で表現している場合もあります。どのような言葉で呼んでも制限されるものではありませんが、「焼け」以外の表現こそが作者の意向と言うのは全く誤った情報です。

 

実は、この内容が発せられた時に平塚さんからお電話がありました。

 

「私はそのようなことは言っておりません」と…。余ほどのお気持ちだったのだと思います。

 

なぜそのようなことを言うのかともいぶかしがっていらっしゃいましたが、発した人物はこのドリームワンダー(に関する総てのこと)を自分のものにしてしまいたいのだなとはっきり分かったことでした。

 

ですので、作者の意向というのであれば、「焼け」と言うのが正しいです。

 

また、「焼けはドリームワンダーからしか遺伝しない(他にある焼けの品種はドリームワンダーを使っている)」というのも誤り。焼けはいろんな植物に出ますし、コウロギさん、笈川さんのところでも出ています。要は、それを拾い上げるか、遺伝するかの違いです。

 

このドリームワンダーについてはこのように誤った情報も多いのでご注意くださいませ(出場所は同じ・笑)。

酒吞(しゅてん)

金しべ

ドリームワンダーを使った交配種

 

なども展示の予定です。

パープル心音(しおん)

 

平塚さんのまた別の人気品種。

平塚桜子

 

小輪フリルの先駆け的品種です。

 

平塚さんの世界。これこそ、日本のパンジー!その実物を是非とも見ていただければと思います!!