作品展を振り返って リアンは多様性と進化 | ROKA BLOG

作品展を振り返って リアンは多様性と進化

「リアン」は福岡県のバタフライガーデン(山内昇一)さんのビオラのブランド名です。フランス語で「絆」の意味になります。

夕方の撮影だったので花色が暗めです。

 

今回は同タイプを3株植えで、ボリュームのある姿をお見せ出来たと思います。一株が広がる個体が多いです。

 

さてこのビオラ、これまで少々分かりにくいビオラでした。それはコンセプト(基本、骨格となるテーマ)をずっと探されていたからだと思います。

 

それが今回はっきりと見えてきました。

 

それがどのようなものかはこのビオラの成り立ちを説明すると分かりやすいかもしれません。

 

このビオラは種苗会社の‘デイジェイ’と個人育種の“エボルベ”の交配からスタートしました。“エボルベ”と言っても今のエボルベではありません。もう10年ぐらい前のことなので、エボルベへようやくなり始めたぐらいのエボルベです(笑)。

 

そこからビオラサイズを選んでいったのが、「リアン」になります。

リアン

 

2㎝程度の大きさで、いろんな色目がありますし、花型にも変化があります。

 

当初のコンセプトは「種苗会社と個人育種の中間タイプ」。個人育種へ興味を持っていただく、その中継ぎ的な立ち位置で価格もそれなりのものを提供できれば良しとお考えでした。

 

採種もほとんどが集団での選抜です。

 

育種では「三角形のてっぺん」の考え方があります。親として切り取る(拾う)部分(てっぺん)は最初はわずかだが、それを繰り返していると切り取れる部分は大きくなっていくというもの。

 

この「リアン」のコンセプトも、この三角のてっぺんを繰り返していると次第に磨きがかかってくる。中間の花ではなくて個人育種の方にシフトしていく訳です。

 

ここで当初のコンセプトが「ビオラサイズの多様性の美」にシフトしていきました。江原さん同様のコンセプトです。ただ、由来は違います。

 

で、通常の育種の流れであればここで「閉じます」。つまりは、外部からの血を入れず、にオリジナル内で交配選抜を進めていくこと。そうすることで個性が際立ってくるのです。

 

これは育種の過程で必然的にそうなっていくものです。

 

ところが、この系統はそうならなかった。閉じなかった。

 

リアンに市販品種からフリルの遺伝子が入り、

フリリアン

 

フリルの系統が誕生しました。

 

更に個人育種の遺伝子が入って、

フリリアン・水華(みずはな)

 

淡い花色のフリルが誕生しました。

上:水華、下:フリリアン

 

ここに今度は「進化」が加わりました。今度はエボルベと同様のコンセプトが加わったのです。

 

それとは別に反転咲きが出現!

バードリアン

 

2個体出ています。

 

花色、模様では、個人育種の血が入って「耳柄(兎耳柄)」が出現しました。

うさリアン

 

「耳柄(兎耳柄)」とは上弁がうさぎの耳に見えるような模様(色合い)のことです。コウロギノブコさんの「碧いうさぎ」の模様に想を得た表現になります。

 

ここに「リアン」は「多様性の美+進化」という新たなコンセプトを確立しました。その由来も育成過程も他の方の系統とは全く違ったもの。それはリアンだけのものです。

 

ただ、この血が入るのは「積極的に」ではありません。たまたま同じハウスで栽培していたなど、その時々の一期一会のご縁で緩やかに絆を結んでいく。そんな進化です。

 

今秋、リアンに出逢うことがあったら説得力が増して、個性が際立って見えることでしょう。そうして、人と花との絆をより深めてくれることでしょう。