2008-11-10 09:22:21

‘バニー’の顛末

テーマ:バニーの顛末

お店に‘バニー’の苗が入荷しました。



細い花弁の花をいっぱい咲かせる人気の品種です。販売に当たって育成者の名前は出ていませんが、実はこの品種、元々は私の品種なんです。


当時の品種名は‘キャットニップ’。直接的なイメージではなくて「ネコノヒゲ」という薬用植物(Ortosiphon spiralis:クミスクチン)のおしべ、めしべが長く突き出している花型からのイメージです。


初期の交配のため、交配記録がありません。ですが、イエローやパープルのビオラに原種のアルベンシスを交配したという記憶ははっきりと残っています。


細弁の花型が現れたので、追求したら面白かろうと細いタイプを拾い上げていったところ、ここまでの細さになりました。


イエロー、パープル、バイカラーの色が揃い、下のラベンダーのものはバイカラーの淡色を他の系統と交配して作りだしました。


花もいっぱい付くし、今までにない細弁の珍しい系統ができたのですが、これが一般受けするとは当時全く思っていませんでした。ですから、いずれ何かに使えるのではと系統保存ぐらいの気持ちでした。


パンジー、ビオラの育種は福祉施設の授産品目に付加価値をつけようと行ってきたのですが、それが突然の経営方針の転換のためにできなくなってしまいました。

200系統以上あるこれらの品種をわずかでもいいから残したい。いろんなところに声をかけました。


その時に熱心に相談に乗ってくださったのが園芸ニュースレター会員の石上岬さんです。石上さんはこの‘キャットニップ’を「とてもかわいい!」と気に入ってにくれました。

そして、関西のキンボシという園芸用品の会社につながりました。


キンボシさんは、イギリスの宿根ビオラ(コルビネ、レベッカなど)ブームの火付け役になったところです。当時、自社のオリジナル品種をとの企画がありました。他の‘ピンク&ホワイト’などもあったのですが、最初に販売するのでインパクトがあった方がいいとのことで、この‘キャットニップ’に白羽の矢が立ったのです。


名前は同名の植物があるので‘バニー’になりました。ネコからウサギになったわけです。

そして、発売されるやいなや人気商品となり、現在もこの人気を保っています。また、以降このような花型を「バニー」と呼ぶようになり、他所でも作出されるようになりました。


‘バニー’は極細弁が認知された初めての品種で、ビオラの歴史では押さえておくべき品種です。


当時は、全部の系統を残す訳にはいかず、まだ続けてみたいと思う品種だけをわずかに残しました。そしてほかの品種は、どこかで生き残ってくれさえすればという気持で手放してしましました


‘キャットニップ’には悪いことをしましたが、私が手放さなければ、そして石上さん、キンボシさんがいなければこの品種、この花型の認知はなかったわけですから、縁というか、運命というか、不思議なものですね。一つの花にも歴史ありです。


そういう経緯があったので、正面切って親子の名乗りができません。

「だけど、出世したお前の姿が見られて、お父さん、本当にうれしいよ!(涙)」


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