またまた昔の本の紹介をします。
この「パソコン通信入門」という本は、昭和60年(1985年)に発行されました。
今から約30年くらい前になります。
1980年代といえば、インターネットなんて一般には普及していなくて、この本のタイトルにもある「パソコン通信」というものが
普及し始めた頃です。
アスキーネット、PC-VAN、NIFTY-Serveなどの商用パソコン通信サービスが開局し始めました。
パソコン通信って初めて聞いた人もいるでしょう。
パソコン通信とは、パソコンと一般の電話回線をモデムという機器で接続して、パソコンのデジタルデータを音声データに変換して、パソコン通信事業者のコンピュータとやり取りする方法です。
今のADSLに似てますが、ADSLとは違ってパソコン通信をしている間は電話は使えません。
だから、あまり長時間使っていると家族からクレームが来たりしました。(TдT)
電話使えないぞ~って。
送受信できる情報は基本的には文字だけ。
しかもアルファベットとカタカナと記号。
そもそも初期のパソコンに漢字なんてなかったんです。
私はその当時勤務していた情報機器の会社で、パソコン通信用のモデムという機器を製造していました。
技術担当をしていて、通信ソフトを使ってモデムの検査ソフトなども組んでましたよ。
今は光ファイバーでインターネットに接続すれば100Mbpsという超高速のスピードが出たりしますが、その当時のパソコン通信は初期の頃で300bpsという超低速でした。
ただの300です。
KもMもつかないただの300。
1秒間に300ビットを送れるスピード。
もっとわかりやすく言うと、1秒間にアルファベットをたった40文字くらいしか送れないスピード。
それでも、ワクワクしながら使ってましたね。
モデムからは「ピーヒョロロロガガー」なんて音が聞こえてきて。
いかにもコンピュータが通信してるっていう雰囲気。(^O^)
ちなみに私は、NIFTY-Serveを使ってました。(今の@niftyの前身です)
今のような定額制なんてなくて、使った分だけお金がかかる従量制のみ。
普通の電話回線を使うので、電話料金+接続料金がかかりました。
ついつい熱中して少し長い時間つかちゃうと、けっこうな料金に...
私は今日は何分だけにしようとか決めて時計を見ながら使ってました。
まさに時間との戦いです。
1分1秒の戦い。
今のように使い放題の定額料金が一般的な時代では考えられませんよね。
必要なことをやり終えたら、すぐに通信を切る。これが鉄則。
今から見ればとても不便で不自由な時代でしたけど、私にとっては夢がいっぱいで楽しい良き時代でした。
ある意味恵まれ過ぎてる今のほうが、ワクワクすることが少ないのではないですかね。
みなさんはパソコンを使っていて、ワクワクしますか?
パソコンを使っていて、楽しいですか?
不便さや不自由さってある程度必要なことだと思うんです。
だからみんながいろいろ考えて工夫して、知恵や知識を身につけてきたと思うんですね。
技術の進歩とともに、いろんなことがブラックボックス化され、深く知らなくてもそこそこ使える様になって。
パソコンもそうですね。
昔必要だった知識は、今ではあま必要とされない昔話になっちゃってます。
でも私の場合、パソコンというものが世に出てからの30数年間の知識と経験が、パソコンのトラブル対応の時にはとても役に立ってるんですよ。
パソコンが高機能・高性能になっても、OSがどんどんバージョンアップしても、パソコンの動作原理は基本的にそんなに変わってはいないんです。
みなさんのパソコンのお悩み、ご相談ください。
もしかすればお役に立てるかも??? しれません。
では、今回はこのへんで。