ぜんざい(善哉)は、主に小豆を砂糖で甘く煮て、この中に餅や白玉団子、栗の甘露煮などを入れた食べ物。通常は小豆の粒が存在するものについてのみ用いられる用語で、漉し餡の汁粉 はぜんざいとは呼ばれない。また東日本では粒餡を使用したぜんざいのことも汁粉と呼ぶ地方がある。


語源

ぜんざいの語源は主に2説ある。

1つは仏教 用語である「善哉(ぜんざい、よきかなとも読む)」にちなんだもの。一休宗純 が最初に食べたとされ、あまりの美味しさに「善哉」と叫んだとする説。「善哉」とは仏が弟子を褒める時に使う言葉である。

もう1つは出雲 地方の「神在(じんざい)もち」に起因すると言う説。出雲 地方では10月に全国から神様が集まるとされることから、この月を「神在月 (かみありづき)」と呼び、出雲大社 では「神在祭」と呼ばれる行事が執り行われる。このときに振る舞われたのが「神在もち」であるが、これが訛って伝わり「ぜんざい」となったとする説である。

このことは祇園物語 にも「出雲国に神在もちひと申事あり」と記されており、また「赤豆をにて-餠(もち)を入まいらせ」と、現在のぜんざいと同種の料理であったことを示す記述がある。

ちなみに出雲弁 で「じんざい」は「ずんざい」(出雲地方は、ずーずー弁 。また“ず”の音ははっきりと発音しない)のような発音になるが、これを他の地方の者が「ぜんざい」と誤って聞き、そのまま京都に伝わったのではないかとされている。

沖縄のぜんざい

沖縄県 の名物氷菓にも「ぜんざい」と呼ばれるものがあるが、日本本土のぜんざいとは異なるものである。元来は緑豆 を甘く煮て冷やしたもので「あまがし」と呼ばれたが、戦後、金時豆 (またはアズキ )などをシロップ黒糖 で煮たものの上にかき氷 を載せたものが一般的になった。最近では白玉 などが入ることも多い。かき氷をかけないものはホットぜんざいと呼ばれるが、あまり見かけない。

関東のぜんざい

関西で言うところのぜんざいを汁粉と呼ぶ関東地方 では、白玉 に汁気のない粒餡 をかけたものを「ぜんざい」と称することがある。関西地方ではこれを「亀山」や「小倉」と呼ぶ。