僕は、仮説として、悪魔は、とにかく、そう呼ばれるものは人間の意識の底にいると考えたんだ。
正しく言えば、個人レベルではない、人間全体の意識のレベルの底を抜けた先だよ。
催眠状態などよりも、もっともっと、深い状態。
悪魔主義者は嬉しげに話し続ける。
長い間、誰にも話せなかったからだろう。
噂ではそうだと言われていた。
私の怪しげな情報筋からは。
しかし、誰も彼の口から儀式の成功を聞いたものはいなかった。
彼は言う。
大抵のオカルティストは、有り得ないことを信じているんだ。
そうでなければ、詐欺師だよ。
バカバカしい。
だからね、彼らとはこういった話はしない。
だから、こういう話、誰とも出来なかったから嬉しいよ。
まぁ、情報を集めるために、交流することはあったけどね。
ヒントをさぐるためにね。
君はオカルティストじゃないし、本当には信じてはいないんだろ?
ただ、この分野にしか君の欲しい答がないんだろ?
君となら、話ができる。
私は同意はしない。
彼と私は違う。
私のそんな思いを見透かすように、彼は笑う。
素敵な笑顔だ。
悪魔主義だと分かった今も。
悪魔主義者とは、自分の欲望のために悪魔を利用するものだ。
悪魔崇拝者とは違う。
悪魔を崇拝し、その力を恩寵により頂く崇拝者達とは違い、
悪魔主義者とは、己のために悪魔を使役する者だ。
神を畏れる代わりに、悪魔を畏れることにした崇拝者達とは違う。
崇拝者達よりも、恐ろしい者だ。
悪魔主義者は実に柔らかい眼差しと笑みをしていた。
君は僕とは違うと思っているね。
君が探し続けているのなら、それを探すことがどうしても諦められないのなら、いつか君も僕と同じ選択をする日がくるよ。
望みって言うのはそう言うものさ
何かを対価にしないで、叶う望みなどないからさ。
彼は自信たっぷりに言い切った。
僕は、深く潜る為の方法をさがすことにした。
僕は、芸術家ではない。
彼らの中の一部がやっと出来ることを同じには出来ない。
だが、可能性の一部は見つけ出していた。
それは僕が馬鹿にしていたものの中にあった
くだらないと思っていた安っぽいオカルトの中にあった。
薬、と、
儀式、と、
地面に描く、シンボルの中に
今日はまだ、ここまで。
