パンデモニウム

日々の気になるコト・モノを万魔のごとく脈絡なく取り上げていきます

※ブログデザインのフォーマット変更により、2015年5月以前の過去記事の改行がガタガタになっております。
読み難くて申し訳ないです。


テーマ:

15日にNHK総合にて、『日本怪談物語』 が放映されました叫び

今年で3回目となる企画ですが、「百物語」という枠を取り払い、江戸

時代に書かれた作品を中心に、4つのテーマに分けて語られました。


出演は、黒木瞳、近藤正臣、小島聖、藤本隆宏、新妻聖子、熊田

かほり(琵琶奏者)各氏。 作品考証に東雅夫氏。

各演目の演者は、頭一文字で表記します。


<欲の罠>

安珍清姫・・・黒

        僧籍の安珍に恋する清姫。想いが嵩じて蛇身となり、

       身を隠した鐘ごと安珍を焼き殺してしまいます。

        『今昔物語集』 などにも見られる古い話です。

        異形の者に追われる状況は、今も昔も手に汗握ります

       (;^ω^)

        それが、一度は心を寄せた女性であれば尚更に 

       ((((;゚Д゚))))

        これが、後世の仏教説話になると知恵や加護で助かる

       のでしょうが、ここでは殺されてしまいます。

        能の 『道成寺』 の基にもなっています。ゴーン


 ↓ 月岡芳年・画 『新形三十六怪撰 清姫日高川に蛇躰と成るの

   図』

   着物や帯の柄で蛇を表しています。


パンデモニウム-月岡芳年01 清姫日高川に蛇躰と成るの図


 ↓ 土佐光重・画 『道成寺縁起絵巻』


パンデモニウム-道成寺縁起絵巻01 土佐光重


 ↓ 『道成寺縁起絵巻』 (上記とは別の作品です)

  鐘の中からは、焼け焦げた安珍が・・・


パンデモニウム-道成寺縁起絵巻02


 ↓ 鳥山石燕・作 『今昔百鬼拾遺』


パンデモニウム-道成寺01 今昔百鬼拾遺



しゃべる骸骨・・・小

          男が出会ったしゃべるシャレコウベが言うには、

         「あなたは恩人で、“しゃべる骸骨がいるかどうか”

         全財産を賭ければ、あなたは大金持ち。私も恩返し

         が出来て、成仏出来ます。」

         しかし、蓋を開けるとシャレコウベは黙ったまま。男は

         全てを失う。

         シャレコウベは、かつて男に殺された者の亡骸だった。

          第1回で山崎バニラ氏が演じた 『うたい髑髏』 の

         類話です。

          グリム童話やアフリカなどにも類話が見られるのが

         面白い。ドクロ


切腹の刻・・・藤

        今まさに切腹しようとする男が回想する、我が子との

       因縁。

        累(かさね)のパターンですね。リサイクル


東海道四谷怪談・・・熊、近、黒

            立身出世に目が眩んだ田宮伊右衛門は、邪魔と

           なった妻・岩に毒を盛る。憤怒の内に岩が死ぬと、

           やがて伊右衛門の周りで怪異が起こる。

            言わずと知れた、怪談の代表作です。

            四代目鶴屋南北が歌舞伎に、三遊亭圓朝が落語

           に仕立て、人気となりました。

            前日にEテレで、『にっぽんの芸能』 「“東海道四谷

           怪談”~忠義と欲望の果てに~」を見ていたので、

           脳内補完しつつ楽しめました。

            黒木瞳氏の白い着物にピンマイクが目立っていた

           のが残念。

            人魂


 ↓ 歌川国芳・画 『お岩小平ぼうこん』


パンデモニウム-歌川国芳05 お岩小平ぼうこん


 ↓ 歌川国芳・画 『お岩ぼうこん』


パンデモニウム-歌川国芳06 お岩ぼうこん


 ↓ 歌川国貞・画 『古今大当戸板かへし』

  有名な戸板返しの場面。舞台では一瞬の入れ替わりが行われ

  ます。


パンデモニウム-歌川国貞01 古今大当戸板かへし


 ↓ 春好斎北洲・画 『お岩』


パンデモニウム-春好斎北洲01 お岩


 ↓ 楊州周延・画 『形見草四谷怪談』

  こ、これはっ!! かぼちゃのお化け!? (後述)


パンデモニウム-楊州周延01 形見草四谷怪談



幽霊滝・・・新

      肝試しでお金を賭け、滝の脇の社から賽銭箱を取ってくる

     女。女の名前を呼ぶ不気味な声も振り切り、仲間の下に

     帰り着くと、背負っていた赤子の首がもぎ取られていた。

      小泉八雲が 『骨董(1902年)に鳥取県の伝説として記録

     しています。 また、この滝は実在します。 滝


小幡小平次(こはだ こへいじ)

  ・・・近

    幽霊役で有名な役者・小幡小平次。妻の密通相手に殺される

   が、何度も甦ってくる。

    山東京伝作の 『復讐奇談安積沼(あさかのぬま)』 を基に、

   四世鶴屋南北 『彩入御伽草(いろえいりおとぎぞうし)』

   河竹黙阿弥 『怪談木幡小平次』 などの歌舞伎が作られました。

   目目


 ↓ 葛飾北斎・画 『百物語 こはだ小平次』


パンデモニウム-小幡小平次01 葛飾北斎 百物語 こはだ小平次



<一途な愛>

卒塔婆の妻・・・藤、黒

         旅先で男の下に、国許にいるはずの妻が訪ねてくる。

        二人は、共に暮らし、子を生し、3年が過ぎる。ある日、

        妻の妹が訪ねてき、妻が3年前に亡くなったことを告げ

        る。

         妻を探し、蒲団を捲ると、そこには妻の墓とした卒塔婆

        が。

         二人の子供は、その後 大成したそうである。

         『諸国百物語(1677年)に類話が見られます。こちら

        は、卒塔婆が位牌となっています。ひとだま


漆ぬりの妻・・・新、小

         妻を亡くした男が、新しく妻を娶る度に出奔してしまう。

        強く問い質すと、最初の妻が異様な姿で現れ、「子細は

        語らず夫に暇を乞わねば生命は無い」、と脅されたと

        いう。 しかし、このことが元で新妻は首をねじ切られ、

        夫も噛み殺されてしまう。

         同じ話が、『諸国百物語』 に有ります。

         これは、かなり現代のホラーに近いと思うのですが、

        前妻は病死した時、夫に「腹を割いて内蔵を取り出し、

        中に米を詰め、外側は漆を14回塗り固め、敷地内に祠

        を作ってそこに安置し云々」、と指示するのです。

         この辺りの表現が、死体保存の様でもあり(イカ飯の様

        でもありますが・・・)、邪法を行っている様でもあります。

         つまり、亡霊の様でもあり、死体が動いている様でも

        あるのです!

         しかも元々は、愛し合うが故に彼岸此岸と離れたく

        なかったという・・・コッ、コワ!(((( ;゚Д゚)))) ヒト


阿三(おさん)の森・・・近

             恋仲となった新十郎とお三。しかし、二人は兄妹

            だった。

             お三が病死後、蛇となり新十郎を悩ます。

             相談を受けた良観和尚の袈裟で蛇を包み、森に

            埋め、祠を建てた。

             五代目古今亭志ん生の噺にも残っていますが、

 『牡丹灯篭』の要素が垣間見えます。 はび


吉備津の釜・・・新、藤

         吉備津神社の鳴釜の神事で、凶と出た正太郎と磯良

        (いそら)の結婚。

         それを押して連れ合いとなった二人だが、男は色狂い

        の碌で無しだった。 心労の末に独り病死した磯良は、

        正太郎や愛人に祟る。

         正太郎は42日間、日没から夜明けまで札を貼り巡らせ

        た部屋に篭ることになるが・・・。

         『雨月物語』(1776)に有る噺ですが、これにも 『牡丹

        灯篭』 の影響が明らかです。

         正太郎は、案の定 禁忌を破るのですが、血に染められ

        た部屋に正太郎の姿は無く、ただ軒に正太郎の髷(まげ)

        だけがぶら下がっていた、という行は毛穴が拡がります。 

        ただすけ



<義憤>

鍋島猫騒動・・・黒

         鍋島光茂の碁の相手を務めていた臣下の龍造寺

        又七郎が、光茂の機嫌を損ねた為に斬殺される。

         又七郎の母も鍋島家を呪いながら自害。その血をなめ

        た飼い猫が化け猫に変じる。

         1600年前後に佐賀藩で起きた、龍造寺氏と鍋島氏の

        勢力図の逆転という史実を基にした巷説から生まれた

        のでしょう。

         しかし、黒木瞳氏の「うぅ~・・に゛ゃあああ~~!!」は、

        怖いやらカワイイやら (;^ω^) ブタネコ


桶狭間の合戦秘話・・・小

              桶狭間の合戦前夜、今川義元が今の駿府城で

             謡曲「芭蕉」を謡った。

              これを「歌詞が不吉だ」と進言した家臣の松田

             左膳は、今川義元の怒りを買い、首を刎ねられ

             た。

              合戦が始まり、今川勢が陣を構えると、どこから

             ともなく左膳の謡う声が響いた。 すると、雨が

             降り、風が吹き荒れ、そこに乗じた織田勢に攻め

             込まれた。

              以降、駿府城では「芭蕉」が禁忌となった。 刀


呪いの雛型・・・近

         病床に伏せる奥方の蒲団の下から、7本の針を刺した

        人形(ひとがた)が見付かる。

         一人の女中が、酷い折檻の末、死んでしまう。

         しかし、人形は家を空けていた針子の悪気のないもの

        だった。

         冤罪・・・(;´Д`) お人形さん



<不条理>

証の黒髪・・・

        不義理をしていた義母の愛人に殺され、汚名をそそぐ為

       に夫の枕元に立つ女。 事の証として黒髪を切って残す。

        演目により髪型を変えていた黒木瞳氏。 ここでは必然性

       が有りました。 ハンドメイド


悪行の果てに・・・新

           これまでの住人が2日と保たない新居。

           次々起こる怪異を遣り過ごすと、3日目に男の亡霊

          が現れる。

          「悪行を重ねた為、死して尚この世を彷徨うことになっ

          たが、3日の後、自分の死に様を聞いてくれる者が

          いたら成仏出来るのだが、ようやく豪胆な者に出会え

          た」

           これは、「化け物屋敷」の類型なのですが、聞いた

          ことのない話です。「化け物屋敷」と云えば、

          『稲生物怪録』  が有名ですが、大抵、最後に豪胆さ

          に見合う「宝」を手に入れます。

           しかし、この話では重心が人間(試される側)では

          なく、怪異側(試す側)で終わっています。

           元ネタに触れてみたいですね~(´ヘ`;)ウーム…お月見


ある琵琶法師の話・・・熊、近、藤

              琵琶の名手、団一(だんいち)は、平家一門の

             亡霊に所望され、毎晩 平家物語を弾き語る。

              これに気付いた和尚は・・・。

              有名な 『耳なし芳一』 のより古い原型で、

             名前が団一、全身に経を書くのが札を貼る、と

             いった具合に細部が異なります。 筆




89分になったとはいえ、思ったよりも話数が有ったので、大きい演目は

(抄)と言っても良い位の切り取りっぷりでした。

怪談に必要な、前振りや溜めて溜めて・・・っていうのが無いのは、

厳しいですね。

今回は、割と有名どころが多かったですが、知らない作品にも触れる

事が出来て良かったです (^ω^)


前項 「『日本怪談百物語 その弐』 怪異の作法」  も参照して

下さい。



最後に、番組とは関係ないのですが。


 ↓ 歌川豊国・画 『累淵扨其後(かさねがふち さてもそののち)』

  これは 『累ヶ淵』 の絵ですが、外には「かぼちゃのお化け」が!!

  
パンデモニウム-歌川豊国01 累淵扨其後



・・・とすると、この頃には一般に通用するメジャーなモノであり、ある

時期に絶滅してしまい、近年、ジャック・オ・ランタンという外来種が

定着した、ということでしょうか?? (;^ω^)

元々 お岩や累とセットだったとすると、隻眼ぽくなっている事も合点が

いきます。


かぼちゃのお化けは、

前項 「『しん板化物尽し』 百鬼夜行(半分)」

    「ハロウィンのジャック・オ・ランタンがスゴイ」

もゼヒ (^ω^)

 

 



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