女子は子供では無いらしい。
時代錯誤も甚だしいが、
実父親の家、
つまり祖父母の考えはそういう事実だ。
実父の姉、伯母の話しによると・・・
家を継ぐ大事な大事な子供。
男子にはお頭付の魚が並び、
女子にはお魚が出る事は無いのが日常で
悔しい思いをして来たと。
結局、実母は4人の子供を産んだ。
然しながら
跡継ぎが授かる事は無かった。
5人目を流産したのだが、その子は
男の子だったらしい。
つまり、
全員女子で、男子は産まれ無かった。
子供が可愛いくて産んだ訳では無く、
《男子が欲しい》から4人産んだと
いう事だ。
私が産まれると直ぐに、実母は悪化した痔の手術をする為に実家に帰る事になった。
現在と違い、かなり時間を要する入院が必要になる。
私の妊娠中に悪化したそうだ。
1歳の姉だけを連れて、
乳飲み子の私は置いていかれた。
何故なら、
祖父母は人質を取りたかったから。
嫁いでから何度も逃走した嫁なので、実家から帰って来ないかも知れない。
祖父母は、綺麗好きで料理上手な嫁には帰って来て欲しかった。
その為には
絶対に帰って来る理由が必要だからだ。
産まれて一ヶ月位の乳飲み子の私は
置いていかれた。
これを実母から聞いた時も
『お祖母ちゃんが、どちらか1人を置いていけと言うから、私を置いていった。それが条件だからって。』と、平然と答えた。
悲しすぎる。
私には到底考えられない事だ。
そうして、私は粉ミルクで育てられた。