古典技法 フレンチポリッシュ | 東京の高級アンティーク家具店パンカーダのブログ

古典技法 フレンチポリッシュ

アンティーク家具にご興味のある方は、何度か耳にされているのではないでしょうか。

塗装とは主に、下の素材の保護のため、美しく見せる美観的な要素の2つの役目があります。

フレンチポリッシュとは、その数ある塗装の中の一種で、19世紀の初めにフランス使われ始めた技法で、その後ヨーロッパ中に広がりました。


材料はラックカイガラ虫という昆虫の分泌物を原料にしています。


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現在でもヴァイオリンなどの楽器類にはこの技法が一般的に使われているようです。
音の味わいにも影響してくるのでしょうね。


天然樹脂なので人に対しても優しい塗料です。
現在の家具といえば、ラッカーやウレタン塗装が多いですね。それぞれ一長一短で、メリット、デメリットはあります。
耐久性では現代のものに劣りますが、修復する側にとっては助かります。家具を何度も直して残していくにはとても重要な材料です。


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そしてなにより今でも使われている理由としては、言葉では表すのは難しいですが、醸し出す「味」でしょうか。
時間が経ち古くなるにつれて価値を失う、という世の中にあって、経年と共に良さが増していくというものは多くないと思います。
不思議なかんじですが、これもアンティークならではの愉しみ方ではないでしょうか。


それはまた次回、お楽しみに―。


修復士 T