本当は今回、前回の記事の続きの、

 

サベルヌ遠征でのオスカルとアンドレのテレパシー的コミュニケーションが

本当にテレパシーだったのか?

 

を検証するつもりだったのですが…

 

 

ああー---!!(゚д゚)!💦

 

 

ちょっと、すごい発見をしてしまったかも知れなくて、

動揺と興奮を抑えきれず、

 

今回、別の内容の記事を急遽書くことにしてしまったー💦

(@_@)(いつものことです^_^;)

 

 

そう、サベルヌ関連の記事を書きながら、

唐突に再考察してみたくなってしまった

アンドレのショコラぶっかけ事件☆

 

…で、サベルヌの記事を書きがてら、

ショコラぶっかけ事件☕のくだりを久々に読んでみたの(*'ω'*)

 

超絶キザな貴公子ジェローデル🌹と、

嫉妬心むき出しで心荒れ果てまくってるアンドレ🍷の、

 

男同士の嫉妬がぶつかり合う、

ぞくぞくエピソード(笑)

 

それ読んでたら、

 

そう! このエピソードの時点でジェローデルが、後にベルばらのストーリー展開に重要な役割を果たす、小説「ヌーベル・エロイーズ」について言及していて、

 

…でなんとなく、ヌーベル・エロイーズ🌸について調べてみたのさ…

 

そしたら、出るわ出るわの(私的)大発見!!(゚д゚)!

 

 

以前、アンドレの毒ワイン事件の考察記事を書くときに、

少しだけリサーチしてみたヌーベル・エロイーズ🌹

 

 

その時に理解していた、この作品の情報と言えば…

 

🌸 著者:啓蒙思想を文学作品で広めたジャン・ジャック・ルソー

🌸 1761年初版から1800年くらいまでず~っと大ベルトセラー!

🌸 平民の青年サン・プルーと、貴族の娘ジュリーの身分違いの悲愛の物語🌹

🌸 二人は、死後天国で結ばれる

🌸 ベルばら原作中では、アンドレ、オスカル、ジェローデル、アランの4人が読んでいた

🌸 アンドレは衛兵隊勤務の休憩中に読んでいて、その時に毒ワイン事件を思いついたような描写

🌸 実際の毒ワイン事件の冒頭で、オスカルが部屋でこの小説を読んで涙が止まらなかった

 

このくらいかしら…

 

で、今回いろいろ調べてみたら… 

 

なんと!!

 

この作品、サン・プルーとジュリーにモデルがいるらしいということが判明!!

 

それが、12世紀前半を生きたフランスの神学者&哲学者ピエール・アベラールとその恋人だったエロイーズ🌹

 

Σ(゚Д゚)

 

ここで前のめってしまう人はレアだと思うのですが^_^;

 

わたくし、その神学者アベラール、数年前に別件でたまたま調べたことがあって、

資料いろいろ持っていて、

 

さっき自室の本棚の中の、ほこりかぶってて触るのがかなりためらわれるファイルの山の中から(笑)、無造作にえいっ!って引っ張り出したファイルの一番上に、アベラールの資料出てきたわ(!)

 

なのでもう、この記事書くの運命なのね❤と、

妄想しながら書いております(笑)

 

 

ピエール・アベラール✝️

 

中世のカトリックの神学者なのに、人間の愛や情熱、感情を通してキリスト教を考える、当時としては珍しい人。そしてものすごくロマンチストさん❤ しかも彼、学者だけじゃなく、音楽家、作曲家、そしてポエマーだったんだって! 

(ベルばらのポエマーと言えば、アンドレだわ(*'ω'*))

 

…で彼の思想の根底には、生涯の恋人エロイーズの存在と、

彼女との愛の物語がある🌹

 

ヌーベル・エロイーズの「エロイーズ」も、

アベラールのその恋人の名前から来ているみたいで、

 

「ヌーベル」はフランス語で「新しい」の意味。

だからヌーベル・エロイーズは「新エロイーズ」と訳され、

 

ヌーベル・エロイーズの正式名称は、

「ジュリー、または新エロイーズ」🌹

 

もうタイトルから、ジュリーのモデルがエロイーズで、

ジュリー=新しいエロイーズですよ~って示されてる!

 

あ、オリジナルのタイトルは、

「アルプスの麓の村の住人、2人の恋人たちの手紙」ですって🌹 

 

フランスじゃなくて、舞台はスイス🍃!

 

ん? へー! ルソー、フランス人じゃないんだ… 

フランス語圏のスイスのジュネーブ出身なのね。

 

とりあえず、ヌーベル・エロイーズのモデルの2人の関係について、

少しまとめてみたいのですが、

 

2人は身分違いじゃないのだけれども、

エロイーズがアベラールの20歳くらい年下で、

アベラールの生徒さん。

 

大学で教鞭をとっていた有能な若き学者アルベールは、

若く美しい教え子エロイーズと恋に落ちるのだけれども、

 

エロイーズはパリの有力者の叔父の元で暮らしていて、

なんとアベラールは教職を捨て、家庭教師としてその家に住み込み、

エロイーズと愛を育むの❤

 

そしてなんと、

エロイーズが妊娠(゚д゚)!

 

2人は極秘結婚するけど、2人でおじさんのもとを離れたりいろいろあった後、ついにおじさん大激怒で、手下の者どもにアベラールを襲わせ(!)、

彼の大事な部分を切断!!(汗)

 

中世、怖いわ~💦

 

アベラールもエロイーズも別々の修道院に送られ、

2人は修道士、修道女となって離れ離れになってしまうのだけれども、

 

手紙の交換だけで一生愛しあい続けた、

という歴史上の人物の2人🌹

 

…という、まあ激しくも純愛の物語が、どうやらヌーベル・エロイーズのモデルらしいということにとても感銘をうけ、

 

そしてそのモデルが自分の知っている人たち(知り合いではないが(笑))ということで親近感がわいたのでした(*'ω'*)

 

しかもそのモデルの一人アベラール、

愛と情熱のポエマー❤だし(笑)

 

なんか、アンドレをほうふつとさせるわ(*'ω'*)

 

 

でも今回、それ以上にびっくりした大発見が、

ヌーベル・エロイーズの主題について☆

 

まず、この小説の一つの主題は、皆様もご存じの通り、

身分違いの恋❤

 

これはとても有名なポイントで、

ベルばらのストーリー赤薔薇の中でも大きな役割を担っていたわ。

 

でも、もう一つ大きなテーマがあるみたいで、

 

それが…

 

心の中で消すことができず燃え続ける情熱的な愛に、2人の恋人たちが、

それぞれどのようにして取り組んでいったのか?🌹

 

といったもの。

 

あっ、わたくし、ヌーベル・エロイーズは読んだことがないし、

読もうとは思わなかったので(笑)

 

参考資料に、ジゼル・ベルクマンという人のヌーベル・エロイーズに関する小論文の日本語訳がネットに上がっていたので、そちらを参照します☆ 

 

ちょっと難しい文章なので、The ななめ読み!(笑) 

たぶん、完全には理解していない^_^;

 

 

さて、ヌーベル・エロイーズですが、

 

平民の青年サン=プルーと貴族の娘ジュリー赤薔薇

 

2人は愛し合っているけど身分違いゆえその恋は実らず、

ジュリーはヴォルマールというあまり信仰心のない人と結婚。

 

サン=プルーは家庭教師としてジュリーのもとに招かれ、

2人は愛し合い続けるのだけれども、

以前のようにもう触れ合うことはならず…

 

サン=プルーは自分のうちに燃え続けるジュリーへの思いを、恋焦がれてももう満たすことのできない激情を、ジュリーの面影(image)を胸に抱き続けることで、なんとか補おうとしていたらしい…

 

でも一方のジュリーはというと、

 

「自分の愛を取り除くのではなく、それを純化し、それを『矯正』し、変えようと試みた」

 

そう、昇華させよう試みたのだそうだ…

 

ヌーベル・エロイーズは、2人の恋人たちの書簡も含まれていて、その中に、

 

ジュリーが「情念は人を欺くものとして、その評価を下げるところ」から始め、「サン=プルーへの不可能な愛を総合的に評価しながら、諦めから昇華へと徐々に高揚」させていくプロセスが描かれている書簡が含まれているのですって。

 

んんん???

 

ちょっと、そんな話、どこかで聞いたような…

 

 

 

 

 

Σ(゚Д゚)

 

 

 

 

 

えっ!! 

 

これって…

 

 

 

 

 

アンドレの毒ワイン事件🍷の、

アンドレ側のテーマじゃん!!

 

 

Σ(゚Д゚)Σ(゚Д゚)Σ(゚Д゚)Σ(゚Д゚)Σ(゚Д゚)

 

 

 

そう、この記事にも書いたのですが、👇

 

 

アンドレは、自ら企画・実行した毒ワイン事件を通し、自分のエゴからオスカルの命を奪おうとしてしまったことを悔い、反省し、

 

執着の愛から無償の愛へ、自分のオスカルに対する愛の形を変容させ、昇華させていくのだけれども、

 

なんと、ヌーベル・エロイーズの主人公の一人ジュリーも、

同じ愛の学びのプロセスを体験しているみたいなの!(゚д゚)!

 

ジュリーは、何の実も結ばない、ただの情熱のみの愛の形にみきりをつけ、

こう書いているらしい…

 

「情念の魔力よ、おまえはそうして理性を幻惑し、思慮分別を欺き、気づかれないうちに本性を変えてしまう。人生のうちの一瞬だけ道に迷い、正しい道を一歩だけ踏み外す。…しまいには深淵の中に落ち込み、美徳のために生まれた心を持ちながら、罪にまみれた自分を見出し、ぞっとして目覚めるのだ…

 

Σ(゚Д゚)

 

えっ… これってもう…

これじゃん!!👇

 

【ベルサイユのばら 電子版 6巻】

 

オスカルが他の男の手に渡ることことが現実なものになりそうになっていることを悟ったアンドレが、耐えきれず…

 

【ベルサイユのばら 電子版 6巻】

 

道を踏み外し、でも自分のしていることにはっと気づき、

ぞっとして、

 

【ベルサイユのばら 電子版 6巻】

 

自己反省の末、昇華されるアンドレの愛の形🌹👇

 

【ベルサイユのばら 電子版 6巻】

 

ジュリーの愛へのアプローチの改心のプロセスが、そっくりそのまま、毒ワイン事件でのアンドレの改心の物語じゃないか!!

 

(゚д゚)!

 

でもアンドレの場合、上の描写からうかがえるのは、

 

サン=プルーの愛の形、つまり愛する人の面影を胸に生きる+ジュリーの昇華させた愛の形、その2人の愛の形の融合へと、生き方を変えたような描写だわ🌹

 

 

アンドレの毒ワイン事件🍷

 

アンドレの改心の結果、彼がオスカルへの愛し方を「無償の愛」の形へと変容させていく、オスカルとアンドレの愛の物語にとっては、とても重要なエピソード🌹

 

でも、たしかに大事件を犯したゆえの反省からのアンドレの改心は理解できるのだけれども、

 

それにしては、「執着の愛」から「無償の愛」への飛び超え方が結構唐突で、

自分の中で、ちょっと納得いっていなかったのは否定できない… 

 

かなり唐突だな~って(-_-;)

 

 

アンドレの毒ワイン事件のちょっと前のシーンで、ヌーベル・エロイーズを読んで、天国でしか結ばれない愛に思い至り、ドキッとしていたアンドレ。

 

毒ワイン事件の冒頭で、同じヌーベル・エロイーズをを読んで

涙が止まらないオスカル。

 

このあたりのベルばらのストーリーの中で、

要所要所でこの小説の描写がなされていて、

 

ヌーベル・エロイーズが、毒ワイン事件の「きっかけ」の一つとして、小道具みたいな扱いで物語に取り入れられていたのかなあなんて、これまで思っていたのですが、

 

いやいや!!

 

たぶんこの毒ワイン事件のストーリー、

 

アンドレのオスカルへの「執着の愛」から「無償の愛」への昇華の物語であり、

 

もう、ヌーベル・エロイーズの主題の再現ドラマだわ!!

 

と、今は妄想しております(*'ω'*)

 

原作者さん、ヌーベル・エロイーズの真髄の部分、

20代中ごろでもう理解していたのかしら??

 

もしそうだとしたら、そんなディープな高尚なテーマをアンドレの愛の物語にシンクロさせ、ベルばらの重要なエピソードの骨組みとして利用したのであれば、

 

なんとすごいストーリー構成!!

 

そんな妄想をしまくった、今回のヌーベル・エロイーズの

リサーチでした(*'ω'*)

 

 

ちょっとまとまらないのだけれども、

 

やっぱりベルばらの底辺に流れるテーマだったりメッセージだったりは、

 

人間の歴史上で繰り広げられてきた哲学的・宗教的の問いや、

先人たちの試行錯誤とか、

 

そういったものをベースに構成されているような印象で、

 

ベルばら、どんだけすごい作品なんだ!(゚д゚)!

そして原作者さん、どんだけ偉大な芸術家なんだ!!

 

…と、

 

ヌーベル・エロイーズをちょこっと調べただけで、

こんなにもいろいろ発見あり、妄想ありで、

 

興奮冷めやりません!(笑)

 

もう興奮のままに、一気に記事を書いてしまったわ…

^_^;

 

 

ああ、次回、サベルヌの考察に戻れるかしら?

一晩寝て、様子をみよう…(笑)

 

もう、ヌーベル・エロイーズの主題の再現ドラマ!🌹

 

 

 

<参考文献>

ジゼル・ベルクマン著「激情的な愛から昇華された愛へー『マノン・レスコー』から『新エロイーズ』まで」