康平は高層ビルに入り、上の階に進む階段を見上げ耳を澄ます。かなり小さいが、いくつもの銃声が聞こえる。これで上の階にはかなりの数の武装した人間が居ることがわかる。さっきまでエントランスの方でしていた銃声はしなくなった。移動したのか、全滅したのかのどちらかだろうと予測はつく。とにかく銃声がするということは、康平以外にも武装集団に抵抗している人がいるということである。その人と合流してもいいが、もし下からの集団に挟まれたら殺られるのは明白だった。康平は地下に行く階段を探し始めた
地下1階、地下2階と進むが武装した集団と出会うことはなかった。そして地下3階にある地下駐車場に向かう。この地下駐車場にはSATの第1部隊が入って行ったところである。今まで地下には争った形跡はなかった。音も聞こえない。ということはすでに上に向かって戦闘しているということだろうと康平は思った
轟謙吾(とどろきけんご)「田中無事だったか」
康平が振り返ると隊長の謙吾が居た。その後ろには第1部隊の面々がいる
康平「なんとか自分だけですが」
謙吾「それは残念だ」
謙吾が拳銃を抜き康平に突きつける
パンッ
銃声がする
謙吾「何故?」
康平「自分がここに来るまで時間をずいぶんかけました。なのに未だにここに居ることは考えられません」
謙吾「私を倒したとてもうどうにもならない」
謙吾は腹をおさえて倒れる。康平は謙吾の後ろでサブマシンガンを構えたSATの隊員12人と対峙した
つづく