「起きたか?」
ベッドに上半身を起こしたと同時に男が部屋に入って来た
葵「はい」
「どこか痛いとか気分が悪いとかはないか?」
葵「いいえ、大丈夫です」
「それは良かった」
葵「あのう…」
葵はここはどこか?なんでここに居るのか聞こうとした
「目覚めたか?」
鎧は着ていないが、あの男が入って来た。葵はその男を見て身体を硬くする
「すまないね」
先に居た男が謝る
「私の名前はクロウ、クロウ・カーティス。この王国の警備隊隊長だ。こいつはシノ・ケージーだ。まずは謝らなくちゃならないな」
シノ「何でです?俺達は当然のことをしたまでで」
クロウ「焼き殺そうとしたのにか?」
シノ「しょうがないでしょ。こいつがウサギの格好で現れるから。それに溺れたのを助けてやったんですよ。感謝されるならわかりますが、こっちが謝罪するなんて…」
葵が睨む
シノ「こいつが安全なんて言い切れませんね」
シノが剣を抜こうとする。葵は身構えようとするが
クロウ「非はこちらにある」
クロウはシノの腕を掴み、シノを目で牽制する
シノ「わかりましたよ。ただ、俺は認めませんからね」
シノは部屋を出て行った
クロウ「数々のこと、ほんとに申し訳ない」
クロウは深々と頭を下げる
葵「いえ、いきなり知らない人が自分の家の敷地に洗われたら誰でも警戒しますから」
クロウ「そう言ってもらって助かる」
この時、部屋にある鏡に目がいく。クロウの背中が見えベッドが見える
うわぁー
声に出してしまうのをかろうじてたえた。ベッドの上に女性が居る。ただその女性の耳がウサギのような耳をしていた
第2話につづく