未菜実は朝からそわそわしていた。鏡の前に座る。深呼吸を3回する。が、まったく落ち着くことが出来ない。心が落ち着くまで待っていたら、遅刻してしまう。待ち合わせ場所は駅前のショッピングモールの吹き抜け広場にあるクリスマスツリーの前。時間は夕方の4時。今の時間は11時。まだ時間はあるが、未菜実はすでに焦ってテンパっていた
未菜実「どれにする?」
服をいくつも引っ張り出す。1週間前に美羽と一緒にワンピースとショートコートを買ったのだが、何かしっくりこない。時間だけが過ぎて行く。何度も言うがまだ時間はたっぷりある
未菜実「もう間に合わないよう」
時間は12時半だった。ちなみに駅まで自転車で10分、ゆっくり歩いても30分だ。結局、美羽と買ったワンピースとショートコートに決めた
母親「あれ、どこ行くの?お昼は?」
未菜実「もう時間がない」
時間は1時を回ったところ。しつこいようだが、まだ時間はたっぷりある
恵麻「デートでしょ。気持ちがいっぱいでもう入らないんじゃない」
母親「でも、食べてった方が…」
恵麻「もう行っちゃったけど。たださ」
母親「なに?」
恵麻「待ち合わせ夕方だって言ってた気がしたんだけど」
母親「夕方?まだ1時だよ。どこなの?」
母親は待ち合わせ場所が遠いのか心配になった
恵麻「駅前のショッピングモール」
母親「はあ?」
母親は呆れてしまった
未菜実は急いだので、2時前に着いてしまった。待ち合わせ場所は既に人でごった返していた。未菜実はつま先立ちをし、辺りを見回す。が、人が多くて保の姿が見えない。スマホをチェックする。保から連絡が入っているかもしれないと思った。しかし、入っていない。未菜実はため息をついて肩を落とす
やっぱり、来ないのかな~
まだ2時を少し回ったところだった。未菜実が顔を上げると、保がショッピングモールに入って来るのが見えた。未菜実は保の方へ走った
つづく