パニック。夕貴の知らないところでいろんなことが起きている。今日はかったるいので学校は休むことにする。朝からLINEがひっきりなしにくるがそれも無視、今日はなにも考えず1日中寝ると決める・・・が
母「なにしてるの?」
母が寝室に入って来た
母「大学は?具合でも悪いの?」
矢継ぎ早に質問がくる。夕貴はいきなりだったので頭の中は真っ白だった
夕貴「えっと…」
夕貴は上半身を起こす
母「具合は悪くないようね」
夕貴「うん、まあ」
母「よし、気分転換に買い物行こ。そうだ、今度のお見合いに着てく服見に行こう」
夕貴「あのさ」
母「いや、やっぱり振り袖かな?時間がないからレンタルになるけど」
夕貴「お母さん」
夕貴は声を張り上げる
母「なに?」
夕貴「私お見合いする気ないから」
母「あら、なんで?」
夕貴「もう会ったから」
母「誰に?」
夕貴「結城勇気さん、お隣さんでしょ?」
母「バレちゃったか」
母はまったく悪ぶれることはなく、おどけた感じで言う
夕貴「全部聞きました」
昨夜勇気からすべてを聞いていた。まさか、合コンまでが仕組まれていたとは思わなかった。友達まで巻き込んで恐るべしである。夕貴は母を睨む
母「ほら、夕貴なかなか彼氏できないでしょ?」
大きなお世話だ
母「お母さん心配になっちゃって」
私ってそんなに?
夕貴「だからって…」
母「それでどう?」
夕貴「どうって…」
母「いい男でしょ?しかも、あの若さで助教授」
助教授?講師じゃなかったの?
母「けっこういいと思うんだけどなぁ」
夕貴「そんなに良ければお母さんが結婚すれば」
母「ほら、お母さんまだお父さんとラブラブだから」
確かに、出張の度について行くほど信じられないくらいである
夕貴「とにかく、私はまだ結婚なんて考えられないから」
母「あら、それはいいの。結婚なんてその時の流れですれば」
夕貴「結婚させたいからお見合いするんじゃ」
母「んーとね、私お見合いに興味があってね。ほら、このあとは若い2人でなんてあるでしょ?あれ、ほんとに言うのか知りたいのよ」
あきれた。たったそれだけでお見合いを…
母はいわゆるお嬢様で、このマンションも母の実家のものだし。そんな母は大恋愛のすえ、お父さんと結婚。欠け落ちまでしたらしい。私が産まれて和解したと聞いた。ゆえに世間一般とは思考が少しズレている。しかも天然だし
夕貴「とにかくお見合いはしません」
母「えぇーー」
夕貴「それに向こうもする気はないみたいだし」
母「う~ん、それじゃ仕方ないか」
夕貴「そういうこと」
母「それじゃみんな一緒にお食事しましょ」
夕貴「なんでそーなるの?」
母「はい、決まり。それじゃお洋服買いに行きましょ」
夕貴は結局は母に勝てず渋々承諾してしまった
ゆゆゆ第2話手のひら②終わり