そっと開いた両目の先に、カズさんの顔が映る。

目を伏せたカズさんは…
普段の顔より、気怠い感じで…

妙に色っぽい。


「…ん?(笑)」


赤ワインを飲んでるせいか、そう言って両方の口角を上げる唇は、紅色に染まってこれも妙に色っぽい。


「カズさん…ずるい…」

「…えー? なにさ、ずるいって(笑)」


潤んだ瞳と、首を傾げてニコッと笑う仕草。
…そうだよ。
カズさんは、やっぱりいつもずるい。


「だって…カズさん、私なんかよりよっぽど色っぽいんだもん…
…ずるいよ。」

「んははは(笑) なんだ、それ(笑)」


カズさんは心底楽しそうにそう言って笑って…
私の指先をぎゅっと握る。


「…カズさんは、昔から凄くモテてて…
カズさんが私のこと…好きって言ってくれてからも、私はどうしても自信がなくて…
…だから、そんな私がカズさんにやきもち妬くなんておかしいし、ありえないってずっと思ってたの。
けど、カズさんは…
私とスティーブのことになると、途端におかしくなっちゃうし…」

「…うん(笑)」

「…だから、カズさんが私にやきもち妬くなんて、おかしいのに…」

「いや、だからさ…(笑)」


カズさんは私の言葉を遮るようにそう言って、可笑しそうに笑うけど…
瞳の奥は全然笑ってなくて…
うっすらと、背中辺りが冷たくなる。

…カズさん…
…怒ってる…?

けれど、私の指先をそっと撫で続けるカズさんの指先は優しい。


「前に、俺だってやきもちくらい妬くよって言ったよね?
大体、このみちゃんは、自分が自覚してないだけで、めっちゃモテるんだからさ。」

「そ、そんなこと…」

「無いなんて言わせないよ?
俺がおかしくなっちゃう、例のあいつだって、実際このみちゃんのこと狙ってたわけじゃん。」

「す、スティーブは…本当は好きな女の子が昔からいて…」

「いや、だからさ(笑)
それとこのみちゃんのこととは別の話でしょ?
あいつにナンパされたくせに、俺がやきもち妬くのがおかしいなんて、それってどうなの?って話じゃない?
俺は、いつだってこのみちゃんのこと、独り占めしたいって思ってんのにさ…」


カズさんの茶色い瞳が、真剣身を増して私を見つめる。
私のこと、カズさんは…
そんな風に思ってくれてるの…?

カズさんの指先が、私の指先から徐々に伸びていって…
私の肘を徐に掴む。


「…ねぇ、そろそろ…
こっから移動しない…?」


そう言ってそのまま立ち上がったカズさんは、私が座る椅子をそっと引いて私を立たせると、何も言わず寝室へと歩き始めていた。



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憧れの君 特別編 「 gimmick game 」 22