いつの頃から言われるようになったのか、年寄りを大切にしなさい。

それを言い始めたのも年寄りなんだから、案外、タチの悪い言葉だなと思う。

確かに年寄りに敬意を払う事は大事な事だろうと思う。

でも、公共交通機関にハイキングだか山登りだかの帰り、散々っぱら遊び倒した上で、スーツを着たサラリーマンに席を譲れと言う婆さん。

バスや電車で子供が泣いてると、小言や嫌味を言い、子育てをしてる母親に嫌な思いをさせる高齢者。

スーパーで買い物をして、レジで並んで待っていると、何食わぬ顔で割り込んでくる高齢者。

基本的にポン助は女子供に優しいけど、別に高齢者に殊更優しくするつもりはない。

確かに、現在の礎を築き上げてくれた先人として、尊敬をし感謝もするけれども、これからの時代を担うのは、自分達だったりもっと若い世代の人間だ。

批判も覚悟の上でオブラートに包まず言わせて貰えるならば、棺桶に片足突っ込みかけた常識さえも知らない高齢者よりも、電車やバスでギャンギャン泣いてる子供の方が価値があると思ってる。

歌にもあるように、最近の若いやつは…と言ってた奴も言われてた時代がある訳で、更に言えばそれを言える人間は、今なおまさに人に後ろ指さされるような生き方をしてない人間だけだと思う。

この間、自分がゴルフの練習をしていたら、物凄くスマートな老人に出会った。

打ちっぱなしで調子が上がらず、試行錯誤しながら、段々に調子が戻ってきて、ラスト一球!気合いを入れて打ったら、気合いを入れ過ぎてチョロってしまった。

自分が肩を落とし、クラブを仕舞っていると隣にいた年配の男の人が…

「今のじゃ気持ち良く帰れないでしょう?これ使いなさい。」

そしてボールを四球程自分にくれた。

見ず知らずの若い奴に、サラッとそんな事をして貰い感動したのは言うまでもない。

更に、本当に嬉しかった俺は、暑かったのでお茶を買ってその男性に渡した。

そしたら

「ダメだよ。そんなつもりで渡したんじゃないから、それは受け取れないよ。」

なんとスマートな人に出会ったんや!

何度か会話のやり取りをして、快く受け取って貰ったのだが、こうゆう人は素直に尊敬できる!

そして、自分も真似をしたいと思える。

遊び方を知ってると言うか、そこに嫌味な感じはなくて、心の余裕がある人だと思う。

同じ年配の人でもこんだけ違うと、出来の悪い高齢者に敬意を払いたいとは一切思わない。

何でもそうだけど、自分が昔どうだったのか?

それを考えられなくなったら終わりやな。

調子に乗り過ぎる若い衆もダメやけど、それを教えられる人間が少なくなってきた。

何でも暴力で抑える時代は終わり、暴力でしか人を抑えられない人間は、人を指導する能力がないと思う。

ただ、そうやって自分が感じられる人間でいられるか?

後ろ姿で語る人は今の時代にも、少なからず存在する訳で、それを感じられる感性が必要だな~と改めて思う。

今の自分が大した男じゃなくても、先の自分が少なくとも人に受けた恩を、また違う人に返せる人間でいたいと思った。