何故マムシに手を出したのか。
詳しく聞いたところ、「傍らにあった小石を拾いたくて手を伸ばしただけだった」と。
マムシはぐるぐるとぐろを巻いていて、可愛かったので動いているところを見たかったのでしょう、何かちょっかい出せるものはないかな・・と見るとちょうど良いところに小石があったと。それで手を伸ばしたら、マムシは攻撃されたと思ったか、餌だと思ったか。で、噛みつかれてしまった。
このとき、次男は失念していたのです。ヘビには顔にピットと呼ばれる温度を感知する気管があって、ネズミなどの餌もそれで関知して捕らえることが出来るということを・・何度も繰り返し図鑑で見ていたはずだけど。
そして、子どもの視界は狭いです。また、知恵も経験も浅いのが子どもです。周囲を見渡して長い棒きれを拾ってくるとか、親に言うとか、そもそもまず近寄らない、といった選択が出来なくても仕方が無い、だから親がしっかりついていなければならないのですね・・
このたった一瞬で、人なんて簡単に、死んでしまったり大怪我したりするもんなんだよなあ・・と改めて思った次第です。危険なんて常にどこかで隣り合わせなんだなと。
■5月19日
たまに痛みで目が覚めるらしい次男を慰めながらようやく次の日に。
朝一で病院へ。しかし病院というのは予約があろうが無かろうが、結構待たされるのは何故なのだろう。
▲掌と指は腫れすぎてグーパーできません。2日目でまだ痛みもあるため、曲げるのが怖いようです。
この日は外科のほか、整形外科にも回される。
腫れ防止?か毒の回るのを回避するため?のギプスを取りあえずという感じで付けられたのと、血豆の血を抜いたのですが。
この先生がクールなタイプで、ギャン泣きしようがなんだろうがお構いなしで痛いところを突いてきて、ものすごく痛かったようです。
それがトラウマになり、「もうあの病院行きたくない!」と言うようになってしまった。それまで病院では良い子にしていたのが逃げ回ったりするようになり。私も「なんかこの対応ってあんまりひどくない?」とちょっとムカッときたので、子どもの扱いについてはそれなりに要望も出したけれど、、このときはホントに困りました。
まあお医者さんも人間だし、コロナで大変なのも分かるつもりだし有り難いばかりではありますけどさあ・・
(最後は先生とも笑ってお話出来るようになったけどね)
■5月20日
学校の分散登校が始まっているけど通えない。鉛筆持てないので宿題も出来ず。利き腕でつらいなー。
痛みはだいぶ減ってきたようですが、噛まれた真ん中指の先っぽだけは痛い&怖いようで、どうしても触らせてくれませんでした。
「心臓より下に手を下げないでくださいね、毒が溜まるので」というようなことで、手を下げられないというのもつらいだろうなと思ったのですが、子どもながらも本能でヤバいと思うのか、腫れていて動かせないのか、常に手の位置は下げずにいられました。
▲抜いた血豆がまた膨らんできた。今度は体液も滲み出しているため真っ赤ではなく半透明。
マムシに噛まれると、本当に心配なのは3日~4日後くらいだとか。
毒が全身に回ってくるのがそれくらいだそうで、次男も実際に一番腫れたのが3日目あたりでした。
マムシの毒は、関節から関節へと回る?そうで、指先から掌全体の手関節、ひじ関節、肩関節と回っていったのです。なので3日目くらいには二の腕までパンパンで、ココから先はいよいよ心臓とか内蔵の方に回るんだ?・・と考えると空恐ろしかったです。
■5月21日
朝起きると、昨日パンパンだった二の腕の腫れが何となくですが引いていました。「あ、ひとまず内臓への危機は脱したのかな」とかなりホッとしました。
赤ちゃんマムシといっても毒の強さは同じ。注入する毒の量は他の毒ヘビに比べればもともと少ないようなので、さらにそんなに入らないかもしれませんが、何しろ次男は身体が小さいので・・心配です。
主な毒素は溶血毒ですが、細胞や組織の壊死を引き起こす壊死毒も持っている。関節に入れば後遺症が残る可能性もある。それも怖かった。
▲あんまり変わらないように見えるけど結構腫れています。
▲掌がどす黒いのがまた不気味というか・・痛々しかったです。
■5月22日
人の皮膚って意外に丈夫というか、良く伸びるんだなあ・・
いっぱいいっぱいの血豆が破裂しないのを見て思う。
おそらくマムシに噛まれて病院に来る人というのはそんなに多くはなくて、先生方も看護師さんたちもどうしたもんかな?というような感じで治療されているのではという印象を受けました。もちろん、私たちには何も出来ないのですから、全てお任せするほかに道はないのですが・・
まあ、「私はマムシのプロでね。任せておきなさい」なんて先生は全国探してもそうは、居ないと思いますが。。
ちなみに、血清を打つともう二回目はないらしいです。二回目は効かないで死んでしまう可能性はかなり高いと。(地元の方談)
ということは、もうこの子はマムシに噛まれてはならないということです。他のヘビもなのかな?
なんか逆に怖いというか、切り札のジョーカーをこんな歳で使ってしまって・・という気もするし、イヤだなあ。最近は血清を打たずに治療することも多いとか。(これも地元の方数人談)
しかし大人ならともかく、この体重で、どんな量の毒が入っているかも分からないし知識もない私たちにとって、今この時点で血清以外の選択肢は無いわけで。
将来、再度マムシに噛まれないことを祈るばかりです。そうなったらもう、運命としか思えないわ。
いずれにせよ、なるようにしかならないんですけどね。
▲チビの図鑑によれば、致死量は1.5mg/1kg。14kgの次男だと21mgで死に至る可能性が。。
次男は昨年、庭で蝶の幼虫を発見してからというもの生き物全般に目覚め、生き物系の動画付き図鑑はほぼ網羅しました。今はyoutubeでヒヨケムシVSなんちゃらスコーピオンやらタランチュラの戦いに夢中。
私も最初は気持ち悪いと思っていたけど、意外と平気になってきた。耐性がついてきたようです。笑
人間、どこでどのような出会いがあって行き先が変わるのか・・それもまたわからないものですね。
というわけで、腫れが引いて元気も出て来てるので、病院は二日後でOK!が出ました。
まだ気は抜けませんが、良かった良かった。
↓オマケ☆
▲お寺の裏側。ヘビが居たところは、奥の結界になってるところです。
「境内に子どもの声が聞こえるようになったからホッとしました」と、お檀家さんが草刈りに来て下さいました。有り難し・・!
マムシは大体同じ場所にいるんだって。縄張りがあるんでしょうかね。
▲この下の側溝の中に、ちょこんととぐろを巻いていたということで・・
守り神か、ヘビの主。子どもの命は取らないで。
もうホントこんな想いはコリゴリです。皆さまもヤブを歩くときは、長袖長ズボンに長靴、ゴム手袋を忘れずに・・
▲しかし草刈り機、スゲエーー。感動です。私も買いたくなりました。笑
刈った草を丸くまとめておいたら、「そこが涼しくなるので、かえってマムシが涼みに入ったりするんですよ、枯れにくくなるし」とのこと・・
枯れ葉と違って勝手が分からんです。笑
また長くなりましたので次に続きます。
最後の経過と、この事件で得られたマムシ雑学的なことを書きますー。自分も必死に探したからね。
恩返しのつもり、です。
↓オマケその2☆
▲このドタバタのなかで久々に庭のブロッコリーを見たら、青虫の国になっておりました。
コロナで野菜が高騰しているなか、自作でもするかと春先に植えたいくつかの野菜。
うーん、もう何ていうか、、この子達が幸せならそれでいいぞ。私は農家の方が作ってくださった美味しいブロッコリーを頂くことに致します。