クリント・イーストウッド監督の最新作。
2015年8月、アムステルダム発パリ行きの高速列車で銃撃による
大量殺戮を開始しようとしたテロリストに、アメリカ人青年3人が
立ち向かい、阻止した。その実話を映画にした。
「アメリカン・スナイパー」(14年)、「ハドソン川の奇跡」(16年)につぐ
実話の映画化であるが、今回は、なんと実話の本人たちに
自分の役で主演させるという、驚きの手法をとっている。
さらに、映画の構成にもっと驚く。テロ事件の実話の映画化
ということから予想・期待されるものをみごとに裏切るばかりでなく
映画というものの皮をむいて裏がえされたような驚きを味わう。
日本経済新聞(NIKKEI STYLE) 映画コラム
「シネマ万華鏡」 2018.3.2.夕刊より
( 映画評論家 宇田川幸洋 )