ザ・マンション・ホテル④ | りうりー的房間

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個人的、記録的、日記的、な。

ショップクルーズに興味のない私は、その立地から、こちらのホテルを選んだことに少々後悔していた。


しかし、朝食でその後悔は払拭された。


朝食のレストランは屋上テラス階にあった。

太陽の光が燦燦と射す、サンルームになっている。


給仕に「お好きな席へ」と促された。

8時をまわったばかりだったが、他に客はいない。



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夏場はガラス戸を開け放つのだろう。

気持ちが良さそうだ。


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奥のビュッフェ台には、パンやデニッシュ、サラダ、ハム、チーズなどが並んでいた。

野菜に手を伸ばしそうになって、

パパが夏の中国旅行で病気を持ち帰ったことを思い出し、やめた。


思えば、何度となく訪れた中国で生野菜を食べたことがない。

いや、食べないようにしている。

私の知る中国とは思えないこの雰囲気に、油断しかけた。



ビュッフェとは別に、メニューを見せられ、数種選んで注文した。

林檎ジュース、ハム、目玉焼き、など。

お粥やオートミールと並んで主食として載っていたのが、私の選んだこちら。



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湯圓である。

丸めた餅状のものに、胡麻餡が詰まっている。

スープはほんのり甘い。

散っているのは金木犀の花だ。

意外に思うかもしれないが、中国ではこの金木犀の花、料理によく取り合わされる。


おいしい。

大好きな湯圓を久しぶりに食べた。

金木犀の香りがうっすら鼻に抜ける。



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ガラス越しに朝の町並みを眺めながら、

普段は食べない、一人きりの朝食を楽しんだ。



その後街歩きを一時間半ほど楽しんで、チェックアウトをし、空港へ向かった。

ベルボーイもフレンドリーだった。

私がロビーに置かれたキャンドルを手にして眺めていると、

「それは珈琲の香りがするのですよ」と話しかけてきて、しばし会話を楽しんだり、

部屋のドアが開かないというピンチにも、汗だくで奮闘してくれたりした。



今回の旅で新たな発見は多かったのだが、

一番は上海全体のソフト面の向上だった。

モダンな商業施設やホテルなど設備はとうに発展し高級化していた上海だが、

そこで働く人々のサービスにはがっかり、というかそれが中国式だと私は知っていた。

サービスではなく、気分で仕事をしていた。

しかし、今はグローバルスタンダードに、ハードにソフトが備わっているように見える。



それが、「好意」としてではなく「服務規律」として一般化し伸長していくことは、少々寂しいことではあるのだが。