病気がわかってから、
こうして一年経ってもおしゃべりができるなんて、
そのときは家族の誰も思っていなかった。
ベッドから出られませんが、
私たちの到着を、
お着替えをして、髪をとかして、
待っていてくれます。
今日の第一声は、
「今日もお綺麗でいらっしゃいますね!」
ふざけて敬礼をしています。
おばあちゃんこそ、
唇は桜色だし、目はきらきらしていて、
往年の美少女はそのままです。
女三世代、たくさんおしゃべりして、
楽しい時間を過ごしました。
耳も遠くないし、
「私ぼけてなあい?」
と言いながら、間髪入れないおしゃべりができます。
いつもは私がお小遣いをあげるのだけど、
今日はおばあちゃんが、
「運転手代よ~」
とポチ袋を。
90歳のおばあちゃんから、
お小遣いを喜んでいただきます。
ありがとう。
おばあちゃん。
もったいなくて使えない。
大切にしまっておきます。
