Mさん・・・さようなら。どうぞ安らかに。 | ぱあこ日記☆

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ぱあこのスイッチオフの時間

ぱあこにコスチュームジュエリーの素晴らしさ、パリの素晴らしさ、人生の楽しさを教えてくださった大切なMさんが逝ってしまいました。
享年53歳。あまりにはやすぎました。
Mさんのお店を知ったのは、6,7年前でしょうか。
ぱあこの職場の近くに、どうにも興味深いお店があると同僚が教えてくれ、そのエントランスをくぐった日から、ぱあこのコスチュームジュエリー大好き生活がスタートしました。
決して広くは無い店内は、うっとりする美しいジュエリーで溢れていて、まるで女優さんにでもなったような夢のような時間を過ごさせていただきました。
Mさんは、ジュエリーを見立ててくださるだけではなく、ジュエリーをつけて、パッと明るい顔になる私たちに、ジュエリーからパワーをもらえることを教えてくれました。
Mさんに見立ててもらったジュエリーをつけていると、本当にMさんが言うとおり、心がウキウキして、同じ時間が何倍にも楽しく感じるのです。本当に不思議です。

『あなた、レストランに行くときは、ジュエリーをちゃんとつけて行くのよ!そうすれば、絶対にジュエリーがキラキラと映える真ん中の良い席に通されるのよ!キラキラしていない人にはライトを当てる必要がないって思われるのよ!』

なーんて、Mさんに言われてから、海外旅行のたびにどっさりとコスチュームジュエリーを持って行くようになりました。そして三ツ星レストランで真ん中の素晴らしい席に通されたときは、密かにガッツポーズをしたのでした。
そのことをMさんに話したときの、Mさんの嬉しそうな顔は今でも忘れられません。

ぱあこが彼と知り合って、いい感じでお付き合いが出来ていることを伝えたときも、とても喜んでくれました。
当時お店を手伝っていた、ぱあことも仲良しのNさんに向かって、

『ねーねー、Nさん!私たち結婚式には一緒に歌を歌いましょうね~。』
『えーーーっ?結婚なんて全然まだまだですよー。それにもし結婚するとしても、ホント迷惑ですから、来ないで下さいよ!』
『絶対行くわよっ!歌を歌うって決めたんだから!Nさんと練習しておかなくちゃ!』

なーんて、お買い物そっちのけで、みんなで大笑いし合ったこともありました。

宣教師を目指していたこともあったというMさんは、とても信仰心の強いクリスチャンだったそうです。
ぱあこが知る限りでも、お店に募金箱を置いて、ユニセフに寄付をしておられましたし、ジュエリーの職人をしていた、耳の聞こえないインドネシア人の男の子の治療のためにも心を砕いておられました。

大切な友人へのプレゼント選びを手伝ってもらったこともあったし。
お店でのショーにも出させてもらったこともあったし。(そのときの練習はなかなか厳しかった!)
お食事に連れてってもらったこともあったし。
なにより、素晴らしいコスチュームジュエリーをたくさん見立てていただき、本当にどれほど幸せな気持ちになったことでしょう。

今日はお別れの会の前夜式に行ってきました。
Mさんから幸せを分けてもらったたくさんの方々にお会いし、思い出話をたくさんしました。
Mさんがいなければ、到底知り合うことの出来なかった皆さんです。

病院に入ってから、自分の死を予感したMさんは、親しかった方とご自分の葬儀についての打ち合わせを綿密にされたそうで、祭壇のレイアウト、お花、ろうそくの位置、賛美歌まで、Mさんの思い通りの会でした。
強い信仰心を持っておられたMさんは、全く死を恐れず、静かにお1人で準備されたようです。
Mさんが大好きだったヨーロッパの古い絵画が飾られているかのような、素晴らしい額縁に入ったMさんの遺影は、とても素敵な笑顔で、今でもあの、ちょっとオネエ風な喋りが聞こえてきそうでした。
長い時間お別れをすることが出来たのですが、とてもキレイなお顔のMさんをじっと見つめていると、『えっ?今まばたきしなかった?』と何度も何度も思ってしまったほどです。

Mさん。結婚式で歌を歌ってくれるんじゃなかったの???
ぱあこが嫌がっても歌うってきかなかったじゃん。
どうしちゃったのよ。なんで死んじゃってるの?ほんとに何がどうなっちゃったの?

最後に、Mさんが生前に自分の葬儀のために選んだ賛美歌の詞を書かせていただきます。

移りゆく時の間も 悩みに勝つ力 父より受けしわれは 心に恐れなし
愛に満てる御神は 恵みを日々与え 悩み苦しむ時も 憩いと安き賜う

日々主はそばに在まし わが身を憐れみて 全ての重荷を負い 慰め助け給う
「力は日ごとに 汝が求めにしたがいて増し加わらん」と 主はわれに誓い給う

悩み激しき時も 主の約束頼み 安けく過ぎゆくため 主よ 御言葉 賜え
疲れし時に助け 御手にすがるわれを 常に導き給え 御国に入る日まで
                               (マタイⅡ:28 詩篇46:1)

Mさん、本当に本当にありがとうございました。
Mさんに選んでもらったジュエリー、一生大切に、大切にしていくからね。
キラキラしたぱあこを、天国から見ていてくださいね。 
すごくいやだけど、さようなら。