記者 尾尻和紀 報道
ジョンズ・ホプキンス大学が発表したリアルタイム統計によると、7月5日までに、世界で新たに診断された新型コロナウイルス感染症の累積症例数は 1130万件、死亡者数53万人、米国では4万5000人以上、ブラジルでは1日に3万7000人以上の新患が発生した。インドでは1日で24,000件以上の新たな事件が発生しています。
新型コロナウイルスの発生から半年以上が経過しているが、世界的な新型コロナウイルス感染症はうまくコントロールできていないだけでなく、悪化の一途をたどっているようである。
2020年7月2日、米国のロスアラモス国立研究所の研究チームは、ジャーナルCellで「Tracking changes in SARS-CoV-2 Spike: evidence that D614G increases infectivity of the COVID-19 virus 」という研究論文を発表しました。
今回の研究では、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のゲノムに変異があり、Spikeタンパク質D614Gのアミノ酸変異を受けたネオクラウンバリアントが世界的なパンデミックの最も流行している形になっていることがわかりました。また、D614Gは2.6~9.3倍と感染力が高いことがわかりました。
論文によると、変異型G614ネオクラウン株が2月下旬に世界を席巻し始め、わずか数ヶ月で この突然変異ウイルスを持つ患者の割合は、5%未満から今日では90%以上に増えています。現在の新型コロナウイルス感染者の大多数がこの変異ウイルスに感染していると言ってもいいでしょう。
研究のリーダーであるBette Korber氏は、3 方向からの証拠は、ウイルスが他の亜種よりも感染力の強いウイルスである可能性が高いという考えをサポートしていると述べました。今ではウイルスが一世を風靡していると言っていましたが、このようなことが起こるまでには数ヶ月しかかかりませんでした。
新型コロナウイルスは、宿主細胞表面のACE2タンパク質に表面棘タンパク質(Sタンパク質)を介して結合して細胞に侵入することが知られており、このプロセスをブロックすることが新型コロナウイルス特異的薬剤、中和抗体、ワクチンの開発の焦点となっています。
短期間のうちにD614G変異株は世界中を席巻し、主流となったが、現在の新型コロナウイルス研究のほとんどは、世界的に感染が確認された最初のウイルス性棘タンパク質の配列に基づいており、変異株の急速な流行は、これまでの研究開発に意味を持つ可能性があります。
記者 尾尻和紀 報道