20代女性
【主訴】
閃輝暗点
頭痛・めまい・吐き気・胃の不快感
【問診】
約2ヶ月前からの症状である。
突然目の前にキラキラ、
その時は一時的だった為、気にしていなかった。
しかし、
次第に頭痛も出るようになってき
心配になり、
徐々に目の違和感や頭痛、めまいも強くなってくる。
耳鼻咽喉科でも異常は無いと言われる。
現在は頭痛外来へ通院中である。しかし全く改善が無い。
最近ではめまい・吐き気・食欲不振や胃痛なども出始めて生活に支障が出ている。
【視診・触診】
視診
頚部の過緊張がみられる。
触診
交感神経緊張でみられる皮脂の過多、
【治療】
主な治療部位
①頭半棘筋
②僧帽筋
③胸鎖乳突筋
④板状筋
⑤肩甲挙筋
【治療経過】
初回施術後、目の症状は少し良い。
胃痛も軽減し食欲も少し出てくる。
2回目
目の調子は以前に比べてだいぶ良い。
3回目
食事を摂ると胃痛が出てくる。
4回目
仕事が忙しくなると目の症状が出てくる時があるものの、
5回目
だいぶ調子も良くなってきた。
8回目
2か月間辛かった症状は、ほぼ改善する。
現在も週一度の頻度で治療を継続中。
【閃輝暗点】
①急に視界がキラキラ、
②数分から数十分ほどで光の波のようなものは見えなくなる
これを『閃輝暗点』と言います。
その症状が治った後に頭痛が出たり、症状がひどい方は吐き気や嘔吐、メマイを起こすケースもあります。
脳の血管によるものやストレス、
閃輝暗点に対しての治療法は確立されておらず、
ただ、閃輝暗点を訴える患者さんから治療してほしいという要望は多く、実際に治療を行う事で今回のケースの様に改善が診られることを考えると、首凝りとの因果関係は大きいのではないかと思います。
首の筋肉に形成されたトリガーポイントによる症状は数えきれないほどあります。
閃輝暗点もその一つと私は考えています。
特に、後頭下筋群や頭半棘筋などの後頭骨付着部のトリガーポイントに鍼先が当たると目の奥に響くことがあります。
そもそも目の栄養血管は首から眼球方向に向かいます。血流の関係もあると思います。
首の深部のトリガーポイント刺激による交感神経の抑制が、日ごろの交感神経緊張による血管収縮を和らげるのかもしれません。
その辺りに閃輝暗点の本質が隠れているのかと感じています。