こんにちはkamaです。

 

建築業界にいると、いろんなお客様にお会いします。

中でも「土地のあるお客様」「土地のないお客様」は大きく違いますね。

 

「土地のないお客様」にとって「土地のあるお客様」はとてもうらやましいのです。

 

当然ですよね。

 

特に土地の価格が高い地域では60万円/坪とかしますから、例えば40坪の土地を買おうと思うと、単純計算で

40坪×60万=2,400万

2,400万円掛かるわけです。

それ以外に土地を買うときには諸経費も発生しますので、予算の半分以上が「土地購入費」として持ってかれます。

30万円/坪の地域でも、1,200万円ですからね。

 

 

なのに、全国には持ち主の分からない「所有者不明土地」が約410万ヘクタールもあるとのこと。

 

ちなみに、

この九州の面積と同じくらいの大きさになります。

 

ええ

 

って感じですよね。ちょっと信じられませんが、どうも本当のことらしいあせる

 

 

土地は1筆2筆と数えます。

「ひつ」と読みます。

 

この筆数で見た所有者不明率は20.3%にもなるそうです。

 

 

「え~誰のものか分からない土地がそんなにあるの? もったいな~い! 分けてもらえないのかな?」

 

なんて思っちゃったりしますよね(笑)

 

 

この所有者不明土地は、「うらやましい」とかそういうことではなく、「管理が行き届かない」「荒廃しやすい」という問題が生じるのです。

 

廃墟と化したホテルや旅館などが、良からぬ輩リーゼントのたまり場になってしまったりする問題がありますよね。

 

空き家がたくさんある地域は、安全面が脅かされるということになるのです。

 

せっかく利用価値のある立地条件の良い土地でも、草がボウボウで誰も寄り付きたがらない…。

 

 

 

でも、なんでそんなことになるのでしょう?

これには土地の資産価値が下がっていることが影響しているのだそうです。

資産価値が下がってしまった土地でも相続すれば、その土地を管理するのにかかる費用や税金を負担しなくてはならなくなります。

すぐ近くに住んでいればまだ自分達で草取りしたりもできますが、遠方にある土地を相続してしまっても「かえって迷惑」なわけです。

 

さらに、少子化が進んでいる昨今。

一人っ子同士が結婚することもあるでしょう。

親の兄弟がいなくて、自分しか相続する人がいないというケースだって考えられます。

そんな環境でどちらの親も土地を持っていた場合、その夫婦は、両方の土地を相続することになるのです。

 

仮に兄弟姉妹がいたとしても、皆がその土地を必要としない場合もありますよね。

それぞれに生活がありますから。

 

要らない土地なんて相続したくないでしょう。

だから、法定相続人が誰も相続登記をしないのです。

 

その上、その後何十年も放置されると子や孫の代になって相続人がどんどん増えていくようなケースもあります。人が多すぎで管理できず、事実上相続も売却もできないような土地になってしまうのです。

 

 

このような土地がある場所は「山間部湖」「田舎田舎・・・」というようなイメージがありますが、政令指定都市や東京23区で700を超える数の土地がある事が、最近NHKが行った調査で分かったそうです。

 

 

この問題は国交省でも当然取り上げられていて、有識者会議が開かれています。

所有者が分からない土地を有効に活用できるようにする為にどうしたらいいかが話し合われるわけですね。

この会議の初会合が先日行われたそうですが、「所有者を特定する」ということに時間も費用も嵩んでしまって大変なのだそう。

それでも、年内には方向性をまとめて関連法案への提出を目指すそうです。

 

 

すんなりと解決できる問題ではないと思いますが、よりスマートな方法が導き出され、「土地のないお客様」への有益な情報(お値打ちな土地情報土地)として提供される日が来ればいいなと思います!!