十色会 | 019|まる・いち・きゅう

019|まる・いち・きゅう

丸い地球をまわりながら考えていることの記録

ケンブリッジに日本人は少ないという印象を持っている人も多いよう。「おそらく 100人近く、あるいはそれ以上いるのではないですか」と答えると驚かれる。確かに学部生に日本人は少ない。

しかし、修士課程や博士課程、ポスドク(博士課程を修了した人のための研究コース)のためにケンブリッジに在籍する人を含めるとその数はぐっと増える。最近はケンブリッジ(大学のビジネススクールに MBA(経営修士)取得のために社費留学する人や官費で外務省や経産省から派遣される人も多いようだ。

そのような研究分野も経歴もばらばらな人たちが「日本人」という繋がりで集まるが会がある。「十色会」は「ケンブリッジで活動するすべての日本人と日本に関心を持つ方を対象にした学際的プラットフォームを提供する会で年齢、人種、分野(業種)を問わず、様々なバックグラウンドから集まった次世代の日本/世界を担う人材とフラットに議論/意見交換をおこない、知の"相互作用"と人の"繋"を創る事を目的」としている。(十色会(ホームページより抜粋)

毎日が宝探し
図書館でみつけた100年前のケンブリッジの試験問題

年度初めにはウェルカムパーティー、冬休み明けには新年パーティーと様々な催し物が行われるのだが、中でも私が楽しみにしているのが隔週で行われるセミナー。会員の中から毎回スピーカーが決められ質疑応答も入れて2時間ほどのセッションとなるこのセミナー。扱われるトピックはビジネス、政治、行政、法 曹、R&D、 医療など多岐に渡る。

最近では「エネルギー」と題して、商社でエネルギー関係を扱われていた方がお話をされたり、「日本のものづくり新解体新書」というテーマで日本のものづくりの未来についてのパネルディスカッションが行われたりした。

ケンブリッジのカレッジ制度の大きな特徴の一つはカレッジというコミュニティを通して専門分野に捉われない知識の交流が行われることだと思っている。その強みが日本人コミュニティにも見いだせることを嬉しく思う。今年は十色会の幹部となって運営に関わることになった私。ケンブリッジならではの「知の化学反応」をより多くの人に楽しんでもらいたい。