睡眠時間は、個々の体質のほか、季節の影響によって変化します。
中医学の古典の一つである《黄帝内経素問》の四気調神大論には、
「早く臥し、晩(おそ)く起き、必ず日光を待ち、・・・」とあり、
冬は他の季節より、「早寝遅起」を推奨しています。お仕事や学校などで、
「遅起」は難しいと思いますが、いつも以上に夜更かしを避け、
ゆっくりと休みたい、と書かれています。
四季による睡眠の取り方について、簡単にご説明します。
春 夜臥早起,廣步於庭
春の三ヶ月(立春から立夏)を「発陳(はっちん)」と呼ばれ、
古いものを押し出し、新しいものを生み出す、生命が芽吹く季節です。
この時期は、少々の夜更かしはかまわないが、
朝は早く起きて、庭をゆったりと散歩し、
髪結いをほぐして、体をのびのびと動かすといいです。
つまり、春に芽生えた万物と同じように、
心身ともに生き生きと陽気を発散させ、天地間の陽気に合わせ、
自身の陽気も養生するということです。
夏 夜臥早起,無厭於日
夏の三ヶ月(立夏から立秋)を「蕃秀(ばんしゅう)と呼ばれ、
「蕃秀」とは「生長」のことです。
夏季は天地の陰陽の気が盛んに交流するので、万物がどんどん成長して
咲き栄える季節です。
この時期は、夜は遅く寝て朝は早く起きます。
日の長さと暑さを厭わず、物事に怒らずに
穏やかな気持ちよく過ごすべきであります。
つまり、夏の気候に適応し、夏に咲きそろっている花のように、
体の陽気を気持ちよく発散させることです。
秋 早臥早起,與雞俱興
秋の三ヶ月(立秋から立冬)を容平(ようへい)と呼ばれ、
ものが成熟し、形が定まる季節です。
この時期は、天地の気が引き締まって澄んでくるように、
すべてのものが収斂する自然の景象になるので、精神を落ちつかせて、
秋の容平の特性に適応して身体を損なうことがないようにし、
鳥のように夜明けに起き、薄暗くなったら寝るという風に
早寝早起きをし、心を穏やかにして、
あれもこれもしたいというストレスを作らず、
静かに過ごしましょう。
冬 早臥晚起,必待日光
冬の三ヶ月(立冬から立春)」は閉藏(へいぞう)と呼ばれ、
生機が潜伏し、万物が門戸を閉ざして閉じこもる冬眠する季節です。
この時期は、水は冷えて氷となり、大地は凍てついて寒さが厳しいので、
冬の気候に適応して、早寝遅起きをし、日光が照らしてから起床するのがよいです。
精神的には気を静めて、精神的に静かに安らかにし、
寒さを避けて、体を暖かく保つように注意しましょう。
四季の気候変化に睡眠などの生活習慣を合わせ、
病気の予防や健康を維持しましょう。
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