最近撮った写真は

 その時の上司は兄が医師、実家は神戸の芦屋市と

この時点でただよう


ハイスペック感。


なのですが、本人は非常に出来が悪かったらしく、医師の兄と比較される事に劣等感を感じて反抗し一通りのヤンチャをして半ば勘当同然で料理の道に飛びこんだそう。


そんな方にいきなり氷彫刻を教えてやるから仕事を早く終わらせて、他の人に氷彫刻をやるので後はよろしくお願いします。


そう言いなさい!!


内心、ただでさえ選りすぐりの怖い年上の先輩に囲まれて罵詈雑言を浴びせかけられながら、日々過ごしていた自分には


「そんな事できるわけがない。」


そう思っていました。


次の日から


その方からまだか、まだか、早く行くぞ。


捲し立てられます。泣き笑い泣き笑い泣き笑い


そんなに言われるから自分なりに工夫して早く出勤して自分の仕事をこっそり終わらせて、


「仕事終わりました。教えてください。」


上司「やればできるやんけ!冷凍庫に入るからこれ着とけ!」


冷凍庫には見た事ない大きさの氷が鎮座してました。ポーンポーンポーン


ちょっとしたぬりかべです。ゲロー


この推定40キロはあろうかと思われる氷をカンナで削ったり、時にチェーンソーを使い掘っていきます。


ちなみにこの作品は結婚式の飾りに使うそう。


こんな毎日が続いたある日上司から


「お前1人で掘ってみろ。」


忘れもしないその時に彫ったのは鯛でしたが、作った作品を見た上司から


「合格。明日から魚をさばかしてやる。俺が教えてやる。それと俺がお前に何故こんな事をやらしたらわかる?」


当然ピンときていません。


「俺がお前を見て思うことは、先輩に気を使いすぎるあまり新しい仕事が全く出来ていない。確かに上下関係などあるから普通なら先輩の実力を追い越そうなどとは思わんだろ?


「俺は生意気だったから、例え怒られたとしても圧倒的にできるようになるまで努力した。先輩に対しても喧嘩になったし、負けるのが嫌だったからボクシング🥊を習いに行った。知識でも勝ちたかったからありとあらゆる本を読み漁った。フランス語、イタリア語全ての料理は現地の言葉で書いていても当然書けるし読める。今度職場の奴らにイタリア語とフランス語のテストを受けてもらうから、お前も死ぬ気で勉強しろ。


「大丈夫人間そんなに簡単には死にはしない。それと何故俺がこんなに努力しているかわかるか?それは歳とってシェフになる奴は沢山いる。だってみんなやめていくから。ただ残ったからシェフになっただけ。だから若くしてその地位に行ける奴が本物俺はそう思うからやっている。それと家族を見返してやりたいからね。お前も田舎の友達などを見返してやりたいだろ?だったら努力しなさい。これを教える為にお前に氷彫刻をやらせたんだ。」


涙が溢れたのを今でも覚えています。


思えば自暴自棄になって「どうせ僕なんか何もやらせてもらえないんだ。」


自分で努力もせずに誰かがこの環境を変えてくれるかもしれない。そんな他人任せの人生だった事に気づいた瞬間でした。


次の日から魚をさばく事を手取り足取り教えていただきました。


フランス語のテストもありました。滝汗滝汗


結果1位でした。


その経験が今でも自分の自信になってます。


本日に出会えてよかったです。







 

 

 

 

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