どうもどうもですw

面白い本、読み応えのある本を紹介するこのコーナー、第2回目であります。

今回ご紹介するのは、『007 白紙委任状』でございます

 007ってあのジェームズ・ボンドだよね? まだ続いてんの? って思っている方も多いでしょう。映画のほうは強面ダニエル・クレイグが6代目ボンドとなり、ポスト冷戦時代のマッチョなジェームズを演じております。でもこの本は舞台こそ現代ですが、映画とはまったく違う設定です。オールドスクールな007の敵は、やはりソ連であったり謎の犯罪組織だったりするのですが、現代のボンドの敵は、もちろんテロ組織! もうそれしかないでしょ! 
ストーリーは、英国情報機関があるテロ計画の情報を探知。しかし分かっているのは決行日だけ。どこで、どんなテロが行われるのか――そんな雲を掴むような案件の捜査に、我らがボンドが当たります。やがて世界を股にかけるリサイクル業者が捜査線上に浮かび上がる――
もう、エコだかテロだかわかんない、いかにも現代的な話が進みます。ボンドが使うハイテク小道具も、やはりスマホw 便利なアプリだってバンバン登場しますw なんだかね~って感じですよ……でも、やはりボンドはいつの時代でもボンド、颯爽と登場し、カッチョよく車を乗り回し(アストンマーチンではなくベントレーGT!)、もちろん女も落とします! 設定は現代でも、やっぱり007の世界なんですよね~ 読んでいると、何度あのテーマ音楽(チャラッチャチャ~チャ~ララ~ン)が聞こえてきたことか! そしてストーリーも、やっと敵をやっつけたと思いきや、実は……と、思わせてさらに実は……と、話は二転三転w それもそのはず、作者はツイスト(ひねり)の王者、ジェフリー・ディーヴァー(『ボーン・コレクター』)なのですから! グイグイ読者を引きつけるストーリーテラーであります。面白くないはずがありません! でも本作で一番センスを感じる部分は、このタイトル『白紙委任状』です。その意味は「王国の危機であると判断したならば、それを防ぐためならいかなる手段の行使を許す」ということ。つまり20世紀のボンドの『殺しのライセンス』の現代版なのです! なんちゅーイカした表現!! しかしこの言葉にも落とし穴がある、というのもミソなんですがw
あまりくどくどと書くとネタバレになっちゃいますので以上までとしますが、007映画が好きな方なら必読の書であります。ぜひどうぞ!!
なお、映画化の予定はないそうなので、この世界は本書ででしか味わえませんよw

「007 白紙委任状」
ジェフリー・ディーヴァー著 池田真紀子訳
文藝春秋社刊 2499円

なーたん