一所懸命 | やぶんひとりごつ

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2000年、リーマン辞めて京都へ。お寺に居候すること五年間。
その日々の事あれこれ…これまでとこれからのこと。
でも実際は現在東京在住戻りーマン。一方でリアルジャパニーズ目指します。
泣かず飛ばずの「おやぶん」日記、始まるよ!!

最近思うところあって、禅の本を読んだり、精神科医の本を読んだりしている、どれも(前者は別として)基本的には読みやすいものばかりを選んだりしてるけど、いかんせん自分のスペックをはき違えれば、どんな本を読んでもちんぷんかんぷんである。

そんな中、ふと立ち寄った本屋さんで岩井三四二氏の新刊本を見つけて迷わず衝動買いしてしまった。

こういう本が読みたかったんだ。結局。

岩井 三四二
一所懸命

 岩井三四二の作品は以前にも紹介した「難儀でござる」が最高に面白く、良く取材もされているから、歴史小説としても楽しめる。歴史の大河のすぐそばを流れる支流というか水路みたいな存在のお話しが、輝くばかりに描かれているのだ。短編だし読みやすいこともボクには向いている。


「少しばかり田植えが遅れても、稲は育つものやな」


 最後の作品「一陽来復」は思わず読書中のマクドで涙しそうになってしまった…上手い!戦場となった城の中で人質として囚われの身である息子を捜す場面は手に汗を握ります。その後、家族の中を流れるちょっと悲しい雰囲気に何となく納得したりして…


 今回もお薦めの一冊です。