東京は、穏やかに晴れています(^^)ゴールデンウィークの真っ只中!
東京にいらっしゃらない方も多いのかな?
オキシオクラフトは、気持ちよく風の通る工房で、今日も仕事を進めております!

さて本日は、今年の春、いくつかオーダーいただいて制作したドームペンケースを
ご紹介したいと思います。
万年筆などの筆記具を大切にされる方の、必需品であるペンケース。

先端に絞り加工を施して、ふっくらと丸く仕上げるドームペンケースは、
筆記具への負担も少なく、革素材が傷や衝撃から守るので好評です。

※当方ではフルオーダーで、それぞれのペン軸サイズに合わせていくことは
都度木型を準備しなければならず、時間や費用的にも現実的ではないため、
規定の太さのサイズの木型を準備し、長さを調整するセミオーダーでご注文を承ろうと思います。

20170503-01 【作品No.20170503-01】
生成りヌメ革で制作しました。縫製は白麻糸で手縫いしています。
「デュポン ローラーボール ラインD」が収まるサイズでの制作希望でした。
(↑上記写真は、別の筆記具を使用しています)
「デュポン ローラーボール ラインD」は径14.6㎜×長さ146㎜で
クリップを含めると、当方の基本サイズでは収まらないため、横幅は変えず、
高さを調整して制作しました。

ドームペンケース
こちらの写真は、作品到着後、お客様に撮影していただいたものです。
ぴったりと「デュポン ローラーボール ラインD」が収まっています。
思わず制作者もニヤリ( ̄ー ̄)としてしまいました。



ドームペンケース設計図

上図が、この作品の寸法図です。
※高さ17㎜の木型が今回出来たので、AとBの寸法を変更して、オーダーを承ることは可能です。
ご興味ある方は、オーダーの際の参考になさってください。

この度は、お待たせしてしまったにもかかわらず、
万年筆を収めた写真まで送ってくださり、本当にうれしかったです。
生成りヌメ革の経年変化も楽しんでくださいね。
ご注文、誠にありがとうございました。



20170503-02 【作品No.20170503-02】
黒ヌメ革で制作しました。縫製は黒麻糸で手縫いしています。
こちらの作品は、セーラー万年筆の105周年記念として発売された
「瑞青(ずいせい)」という万年筆に合わせて制作しました。
(↑上記写真は、別の筆記具を使用しています)

今まで当方では、1本差しドームペンケースに被せ蓋が付いたものは
制作していなかったのですが、今回、既存の基本の1本差しの型紙を修正し、
少し太さのあるペンも差せるような寸法で、木型を新たに制作しました。

「瑞青」という万年筆は、径17㎜×長さ161.5㎜というサイズで、
標準のペンよりも少し長めに作られていますので、今回は長さも調整しました。

ドームペンケース
作品到着後、お客様に「瑞青」を収納して、撮影いただいた写真です。

「早速入れてみましたがぴったりのサイズに感動しました。
愛用品として大事に、そして遠慮なく使い込んでいきたいと思います。」
という、お言葉をいただき一安心。

制作時には、実際に収納いただく筆記具が手元にないため、
ピッタリおさまるのかどうか?ということは、やはりドキドキします。

ドームペンケース
こちらは「デルタ」という万年筆を収納した写真だそうです。
「デルタ」はお客様のお手持ちの万年筆の中で、最大径の万年筆で、
キャップ径18mm(クリップ含めて22mm)とのこと。
こちらの写真も撮影して送っていただきました。

「太軸万年筆の利用にとてもいいものですので、
ほかの方にも是非手に入れていただきたい一品だと思います。
モンブランの最高級品♯149もクリップ含めて径21mmですので
ちょうどよく入るものと推測されます。」

との嬉しい感想とアドバイスも頂戴いたしました。

正直、万年筆の世界には少々疎いので、本当にお客様の言葉が勉強になります。
この度はご注文、誠にありがとうございました。



20170503-03 【作品No.20170503-03】
キャメルヌメ革で制作しました。縫製は黄土色麻糸で手縫いしています。
お客様のご希望は、「直径14㎜のペンがさせることと、ドーム部分が95㎜程度あること」
とのことでしたので、当方の規定のサイズで制作しました。

当方の基本の1本差しドームペンケースは、大切なペン本体に傷をつけないよう、
通常は、金属部品を一切使わずに制作しておりますが、


1本挿し
(↑当方の基本の1本差しドームペンケース)

しかし今回は、お客様からのたってのご希望で、
ご自身で用意したストラップに取り付けて使用したい、とのことでしたので、
ハトメ穴加工を施しました。


20170503‐03
ハトメの内径サイズは、4㎜ 5㎜ 7.5㎜の3種類準備しておりますが、
今回は7.5㎜の一番大きなサイズを取り付けています。

この度はご注文、誠にありがとうございました。


20170503-04 【作品No.20170503-04】
黒ヌメ革で制作しました。縫製はエンジ麻糸で手縫いしています。
当方の基本の1本差しをアレンジした作品です。
通常は長さ140㎜~150㎜ 最大径15㎜のペンが収まるように設計しておりますが、
今回は「LAMY社 PICO」というボールペンに合わせて、長さのみを調整しました。
(↑上記写真は、別の筆記具を使用しています)
「LAMY社 PICO」は径13mm×長さ92mmで、普通よりかなり長さが短く、クリップが無い仕様です。

そこで、通常170㎜の長さで制作しているものを、長さ114㎜に短く調整して制作しました。
太さ調整は、革を伸ばす木型から直さなければいけないので難しいのですが、
長さだけは調整しやすいです。

到着後も、「長さぴったりでした」というお言葉もいただき、ホッとしました。

この度はご注文、誠にありがとうございました。


20170503-05
【作品No.20170503-05】
黒ヌメ革で制作しました。縫製は黒麻糸で手縫いしています。
お客様のご希望は、「ペリカンM800」を2本収めることができるもの、とのことでした。
「ペリカンM800」は、キャップ径最大約15m×長さ142mmの万年筆です。
当方の基本の蓋付ドームペンケース(仕切り有)の型紙と木型を使い、制作いたしました。

黒革(黒CAヌメ)はかなりコシが強く、硬い繊維の革ですが
綺麗な形に絞り加工(ドーム型に成形すること)を施すことが出来ました。

ご注文、誠にありがとうございました。


ドームペンケース
一時期、ドームペンケースの制作を中断させて頂いていたこともございましたが
お客様の声により、再開いたしました。

今年は、ドームペンケースの木型や型紙の調整に、かなり忙しい春でしたが
お客様のお喜びの声を聞いて、しみじみ制作してよかったな・・・と思えました。

今回は、細かく寸法まで記載し、
お客様の許可をいただいて、実際の筆記具を収納した写真も掲載させていただきましたので
これから、ご注文をお考えの方の参考になれば幸いです。

ご協力いただきましたお客様、本当にありがとうございました。