遠吠え
力が欲しいと願う
それが例え愚かだと思われても
何もしないことよりはましだと考え
他でもない
大好きな君を
この腕の中に包み込めるのなら
道を誤ったとしても
僕は進み続ける
思い出の中で
小さく震えた君の唇が
バイバイと別れを告げた
降りしきる雪の中で
まっしろにまっしろに
染まりながら
うっすらと赤くそまる頬を
両手で隠しながら
なんども
腕で擦りながら
手を振らず
漆黒の馬車の中へ
幼かった僕は、わがままに君の元へ走り
踏み潰される
冷めた目線に囲まれて
凍てつく大地に、捩じ込まれ
うっすらと滲む血を眺めた
なんども
浮き上がる腹の痛みを
噛み締めながら
行かないでと
無言の叫びを天へ向けた
力が欲しい
その欲望に果てなどない
底などない
限りも、制限も何もない
貪欲に求め続け
答えに辿り着く
余りにも長い年月が
僕の中の人を噛み殺した
今はただ、荒野の獣のごとく
生きるために牙を剥き
生きるために奪い合う
誰のために求めたのかを忘れ
夕日の中を
混沌の快楽に浸りつつ
歓喜の声を上げる
生きているぞと
伝えるために
誰かに伝えるために
そう・・・
何かを伝えるために
遠くへ叫んでるのだ
狼の遠吠えのように
長く、より長く
より高く、より広く
世界のどこまででも届けと
叫んでいるのだ・・・
たった、独りで・・・
by風塵のキケロw