アトリエ
そこは誰もいない部屋
何もない真っ白な部屋
其処に君という一人の魔法使いがおりまして
この白に足跡をペタリと付けていきました
するとどうでしょう
歩いた場所に机が飛び出し
火がパチパチと燃える暖炉が姿を表しました
魔法使いは杖をコンコンと机を叩くと
美味しそうな料理が湧き水のように溢れ出し
すぐに埋め尽くしました
今度は真っ白な壁をコンコン叩きました
すると
其処に窓が出来上がり
大きく大きく口を開けたのです
そして
真っ白なカーテンが彼の口を優しく隠してあげました
魔法使いは
何もなかった部屋を
鮮やかに鮮やかに描いていきます
窓の外からは鳥の声が
風には森の香りが
暖炉からはぬくもりが伝わり
最後にこさえた椅子に寄りかかり
ほうっと一息つくのでした
さぁ、さぁ、御いでなさい
ここは魔法使いのアトリエ
ゆっくりとゆっくりと不思議をご覧なさい
そう言うと、ドアをゆっくりと開け
どこかへ行ってしまいました
残された部屋の中は
妖精達が飛び交い
キラキラと、キラキラと
輝いておりました
byキケロw