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今月1日の東北・みやぎ復興マラソンで立ち寄った仙台。
久し振りに繁華街、一番町の夜を歩いた。
表通りは店の照明で明るく、若者たちが行き交っていた。
でも、目的の店に向かって裏道にそれた。

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居酒屋、いわゆる飲み屋、風俗などが雑然と並ぶ裏通り。
照明も表通りより、ワンランク暗い。
そんな一角に目的の店「COUNT(カウント)」がある。
知る人ぞ知る伝説のジャズ喫茶。
一関にあるジャズ喫茶「ベイシイ」とはマスタード同士が友人。
二つの店の名前を合わせると、「カウント・ベイシイ」という米国ジャズ界のレジェンドになる。
以前は一人で、あるいはビッグバンド仲間と訪ねたが、約10年ご無沙汰していた。

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店の看板の脇を右に折れると、狭く短い路地。
その薄暗い空間の奥に店の入り口がある。
玄関のガラス越しに店内の様子がおぼろげに見える。
そして、大きなスピーカーがレコードから奏でる音楽が伝わってくる。
久し振りという緊張感とワクワクする気分でドアを開けると、店内で音が弾んでいる。
ほのかなオレンジ色の照明で、年季の入った椅子に座る。
躍動するアナログサウンドに包まれながら、一杯500円の珈琲を時折すする。
日常のあれこれを忘れて音楽の中で漂う時間を楽しんだ。

マスターは見るからに店とともに歳を重ねてきた渋い先輩男子。
帰り際、「店にお邪魔したのは10年ぶりぐらい。健在でうれしかったです」と話しかけた。
すると、マスターは「たぶん、何も変わってないはずですよ」と苦笑い。
こんな一言の会話も楽しい。
酒は飲まなかったけれど、程よく酔ったような気分で店を後にした。

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店を出て改めて見上げた看板も、おそらく変わっていないのだろう。
次はいつ来ることができるのだろう。