2011年の東日本大震災から6年半。
宮城県南部の名取、岩沼、亘理三市町を走った。
震災当時には津波に襲われた沿岸地帯だ。
42.195kmは津波で荒らされた地域の中だという。
残る傷跡と復興の姿が交錯する中で人々の熱気を感じた。

大会のメーン会場は岩沼海浜緑地。
私の出たフルのエントリーは約1万2000人。
会場がランナーであふれかえった。
フルの半数以上が宮城県外の参加だという。

4グループに分けてのウエーブスタート。
展望席では、サザエさん、マギー審司さん、
千葉ちゃん(真子さん)が見送り。

スタートすると、いきなり田園地帯の中を走る。
田園地帯を通る一本道のコースが多かったが、
アスファルト舗装など何となく新しい感じが目立った。
多くの道が、震災後に再整備されたのだろう。
防波堤の役目も持たせるため、
盛り土を高くした「かさ上げ道路」もあると知った。

稲が黄金色に実る風景が続いた。
一見しただけではのどかな田園風景。
海水まみれになった水田で稲作をするには、
かなり苦労があったのだろう。

先を走るランナーを見下ろしながら走る。
広々とした景色は爽快だった。

亘理町の郷土料理「はらこ飯」のおもてなし。
お代わりどうぞ、の気前良さ。

丸々と育った真っ赤なトマトがずらり。
果物、郷土料理、菓子など、
エイドでは盛りだくさんの給食サービス。

ボランティアさんはオレンジ色のスタジャン。
エイドではオレンジ色のスタジャンが大集結。
元気で明るい声援を送っていた。
一般の人々にも温かい元気な声をかけてもらった。
「大会を成功させよう」という、
地元の意欲をビンビンに感じた。

梨をもてなすエイドの裏。
お母さんたちが一心不乱に皮をむいていた。
お疲れ様。

海岸の松林の中を走る。
沿岸の松林は一部が残ったものの、
多くが津波で流されたそうだ。

再整備されたような防波堤が目に入った。
多くのランナーが寄り道。私も足を運んだ。

防波堤の上に立つと、目の前に海が広がり、
すぐ目の先まで波が寄せていた。
海の近さを感じた。

ボランティアさん、沿道の皆さんからは、
なんども「ありがとう」の声をかけられた。
復興支援ありがとう。来てくれてありがとう……。
ただ、遊びに来ただけなのに申し訳ない。

コース後半、名取市で目に入った建物。
震災の津波で破壊されたままの状態だという。
津波で1階部分をぶち抜かれた建物は、
石巻市の被災地でも多く目にした。
津波の脅威の”証人”でもある。

少年少女たちの明るく元気なパフォーマンス。
未来を感じた。

少年少女たちのパフォーマンスを見た後。
コース脇で一つのモニュメントが目に入った。
吸い寄せられるようにコースを外れて、前に立つと、
やはり震災被害者の慰霊碑だった。
しばしの間だったが、合掌。

タイムは良くなかったが、無事完走。
震災に対する自分の無知と無関心を、
改めて感じさせられた日だった。
同時に、大会の成功ひいては、
地域の振興にかける人々の熱意を感じた。
皆さん、走らせてくれてありがとうございました。
引き続き、頑張ってください。