何故?発送元は送料を値切るのか?
25年前の年間総宅配物個数が10億個、そして今年度が37億個なので単純に3.7倍です。配達個数よりも問題は配達軒数の増加です。実のところ企業間の荷物は25年前と比べてさほど増えているとは思えません!
25年前は委託業者もいませんでしたから毎日100個以上の宅配物を配達していました。宅配コース(事業所が少ない住宅地)に限って言えば不在宅に悩まされていた状態も今とそれほど変わらなかったと思います。
宅配業者は何故荷物が3.7倍にも増えたのに純利が減るのか?それは増加した荷物の大半が宅配の荷物だからです。
B to Bの配達は大体毎日同じ会社に同じ荷物を運ぶ仕事なので特にストレスは無く進められます。しかし宅配の場合はそうは行きません!
発送する荷物の多い通販業者に言わせれば「発送個数が増えたのだから単価は下げて当然」と言う事になる。
配達員の目から見るとはっきり解る事が一つ有ります。年間消費量に大きな変化がない商品、例えばシャンプーなどを見てみると、以前は担当地区の一軒のスーパーにまとめて1ケース(B to B)の配達をすれば終わっていました。
しかし今はスーパーに1ケース(B to B)の荷物と、再配達などの手間が掛る個人宅(B to C)に同じシャンプーを数軒に分けて配達しています。したがって荷物の個数で言えば4倍、配達軒数も4倍です。しかしシャンプー全体の本数は増えていません!
発送元としても売上高が変わらない状態で送料だけが4軒分になる訳なので単価を下げる交渉は致し方ないとも言えます。
個人同士の配送(C to C)の場合はもともと定価の配送料をもらえるので配達に手間が掛ってもコスト的には問題なかったが、(B to C)の場合は送料が安い上に配達コストが嵩んでしまうため利益を圧迫する事態になっている訳です。
今送料全体の値上げを打ち出していますが、本当に値上げが必要なのは通販業者から出される荷物の単価(特別料金)です。もちろんそこを値上げすれば送料無料と言ったサービスが若干減る事は予想できますが、普通に定価の料金を払って発送している実家の母や零細企業にとっては本当に納得がいかない値上げだと思います。
賃上げより先に再配達の問題をもっと早く真剣に取り組むべきだったと思いませんか?