令和6年6月11日の大阪府議会一般質問より、公明党・八重樫善幸府議の、大阪・関西万博開催時の防災対策の検討状況、万博経費縮減の見える化、万博遠足の意向調査に関する質疑を書き起こしました。

 

動画はこちら

http://www.gikai-chukei.jp/

 

17:33~

◆大阪・関西万博開催時の防災対策の検討状況を問う。

 

八重樫議員:次に、万博開催時の防災対策について伺います。

 

昨年12月に万博の防災基本計画が公表されましたが、この防災計画については、博覧会協会が関係者で構成する安全対策協議会で今年夏頃をめどに詳細を取りまとめると聞いております。しかし、先日のメタンガス爆発事故も相まって、万博会場の災害対策は大丈夫かといった不安の声は高まったままで、そこに本当に子どもたちを招待するのかと運営側への不信も高まっています。

 

そこで、この安全対策協議会における現在の検討状況について、万博推進局長に伺います。

 

 

万博推進局長万博開催時の防災対策につきましては、博覧会協会が、学識経験者や大阪府市、消防や警察等の関係者で構成する2025年日本国際博覧会安全対策協議会におきまして、昨年12月の防災基本計画を踏まえまして、さらに検討が深められております。

 

本年3月に開催された第6回の協議会では、避難の在り方につきまして、大規模な災害が発生した際、会場内や夢洲内で一時的に滞在する場所の確保や、夢洲から島外に避難する場合のオペレーションに加えまして、備蓄物資の具体的な内容や必要な備蓄量などにつきまして議論が重ねられているところでございます。

 

現在、このような議論を踏まえまして、実施計画の策定に向けて詰めの調整がなされており、第7回の協議会を経まして、本年夏頃に取りまとめられる予定でございます。

 

大阪府市といたしましても、協会をはじめ関係機関としっかり連携しながら、こうした計画を広く周知を図ることで、万博を安全安心に開催できるよう万全を期してまいります。

 

 

八重樫議員:ただいまの答弁で島外避難とお答えをいただきましたけれども、防災基本計画の被害想定では、避難場所と想定される夢洲・咲洲も液状化が想定される真っ赤な状態で、避難場所として機能しないことも十分想定されます。一日平均15万人と言われる万博の来場者をいかに混乱なく避難させることができるのか、最悪の場合、一体どれぐらいの期間、夢洲に滞在することになるのか、その後どう安全に避難させていくのかについて、具体的な計画が示されなければ、万博の安全に対する不安を払拭することはできないと思います。

 

そこで、この夏頃に取りまとめられる計画には、具体的な避難の在り方が盛り込まれるのか、再度、万博推進局長に伺います。

 

 

万博推進局長現在、南海トラフ地震も含めました大規模災害が発生した際、夢舞大橋や咲洲トンネル等の避難ルートにつきまして、安全確認に要する時間や避難経路に関する協議を進めているところでございます。

 

引き続き関係者と連携しながら、こうした具体的な避難ルートも含めまして、本年夏頃に実施計画を取りまとめることとしております。

 

 

◆大阪・関西万博の経費縮減の取組みが広く伝わるよう、取組内容等の見える化をすべきと考えるが、所見を問う。

 

八重樫議員:次に、万博の経費縮減の見える化について伺います。

 

昨年秋に会場建設費が500億円の増額となり、次いで運営費についても350億円の増額となることが公表されました。こうした相次ぐ経費の増額は、万博の機運醸成、来場意欲に大きく水を差したのではないかと思います。ですので、その時も知事に確認をしておりますけれども、府民や市民の皆さんに経費縮減にも積極的に取り組んでいることを示せれば、万博開催の理解も進み、機運醸成にもつながっていくと思います。

 

しかしながら、現状は予算の執行状況については定期的に公表されているものの、経費縮減の取り組みやその効果額は明らかにされておりません。

 

そこで、今こそ経費縮減の取り組みを見える化すべきと考えますが、万博推進局長の所見を伺います。

 

 

万博推進局長会場建設費や運営費に関しましては、人件費等の上昇などによる先の増額時に合わせまして、協賛の獲得や仕様の見直しなど、会場建設費で約157億円、運営費で約228億円の縮減の取り組み内容が公表されております。

 

また、これらを契機に厳格な執行管理体制の構築を求めたところ、博覧会協会内にCFOを、いわゆる最高財務責任者でございますけれども、これや、運営費執行管理会議とともに、外部専門家で構成する国の予算執行監視委員会も設置され、定期的継続的に執行状況の確認公表が行われているところでございます。

 

ご指摘の経費縮減の見える化につきましては、執行状況の公表と併せて進めていくべきと考えておりまして、機会を捉えて協会に対応を求めているところでございます。

 

 

八重樫議員:それでは、知事にも伺います。

 

昨年11月の議員全員協議会の場で、知事は、協会が一層厳格な執行管理とコスト縮減に努めていくと答えられましたが、大阪府は、もっといえば知事は、全員協議会以降、協会に対しどのような提案をしてきたのか、知事にお伺いいたします。

 

 

吉村知事これまで、博覧会協会に対しては、会場建設費については施行内容に新たな変更が生じる際には事前の協議を求めるとともに、運営費についてはCFO最高財務責任者の設置、また第三者の有識者からなる委員会の設置を私から提案をいたしました。それぞれ実現されているところであります。

 

また、これらの執行状況について、府市としても、当初予定からの増減や今後の予定の内訳等全体像を示していくことなど、さらなる改善策を求めているところであります。

 

引き続き厳格な執行管理はもとより、今後も必要な提案を行うなど、万博に対する府民、市民の皆さんの理解が深まるように取り組んでいきます。

 

 

八重樫議員:答弁いただいた通り、ぜひ必要な提案をお願いしたいと思います。

 

万博開催まであと306日となりました。

 

これは一昨日咲洲庁舎展望台から撮った、現在の夢洲の万博会場です。これを見る限り、リング以外はパビリオンらしきものが目立っておらず、ワクワクする感じは伝わりません。

 

そしてつい先日、報道にもありました万博への来場意向の世論調査で、「万博に行く」と答えた方は過去最低となっていました。

 

これほど万博に行きたい人が少ない理由は、毎日のように万博についての様々な問題が報道されていることと、特に最近ではメタンガスの問題も続いていますが、子どもたち無料招待にかかる学校への参加意向調査で教育現場が混乱していることも一因です。

 

学校で参加すればパビリオンの予約は他団体よりも優先してもらえるのか、高校生ぐらいなら数あるパビリオンを自分たちで自由に選択したいかもしれません。そうした要請に応えていただけるのか。そもそも海外パビリオンや企業パビリオンでは、どんな展示を行っていて、見どころはどこなのか。暑い大阪の、しかも屋外のどこでお弁当を食べるのか。エアコンの効いた室内の食事会場は確保できないのか。パビリオンの予約と会場内での行程は、府教育委員会も一緒に調整してくれるのか。関西や全国から来る子どもたちのパビオン予約の調整はどこが行うのか。毎日のように開催される各国のナショナルデーは何時にどのエリアでどんなイベントが行われるのか。

 

何も情報がない状況でただ「参加しますか」だけの意向を調査することにどんな意味があるのでしょうか。せめて、「いつまでに参加意向を示していただければ、パビリオンの予約はこちらで調整します」くらいは発信して意向を聞くべきだと思います。

 

大阪で万博を開催することはもう二度とないかもしれません。これからが正念場です。未来に夢と希望を与える万博になることを祈って、私の一般質問を終わらせていただきます。

 

 

(※誤字脱字はご容赦を。正確な情報は公開動画をご覧ください。)