「子どもたちに10キロ相当のお米を送る」「ネットで申請をしてもらったらご自宅まで配送する」という11/25の発表を受けて、賛同と疑問視の声が入り交じる中おこなわれた、週明け11/28の吉村知事囲み会見の内容を書き起こしていきます。この段階では、11/25の内容から方針に変化はないように感じます。また、文末には、この間の府議会議員のツイートと、そこに書かれている議会でのQUOカードPayに関する質疑(10/5代表質問)の書き起こしを載せています。

 

 

  お米10キロを配るという発表を受けての報道(11/25~29)

 

大阪府の吉村洋文知事の「子ども一人に米10キロ」方針に疑問の声相次ぐ『現金支給した方が』:中日スポーツ・東京中日スポーツ (chunichi.co.jp)

 

大阪・吉村知事「コメ10キロ配布」に非難殺到! 原資は国の税金、配布直後に大阪府知事・市長選で「事実上の買収行為」の指摘も|LITERA/リテラ (lite-ra.com)

 

 

 

 

11/25の発表を受けて、賛同と批判が入り交じる中での、週明けの11/28の知事囲み会見の内容を書き起こしていきます。

 

 

 

  2022年11月28日(月) 吉村洋文大阪府知事 囲み会見

※囲み会見の録画はこちら。お米関連の質問のみをピックアップしています。

  • お米10キロ配布の補正予算案は、12月2日に府議会に上程する
  • 現物支給にかかる予算は、ざっくりと試算している
  • 中間経費を見越したうえで、米10キロ相当分を配る
  • ベースは米10キロ相当分なのか5000円相当分なのかあやふや
  • お米アレルギーの人もいるので、お米じゃない選択も取れるようにはしたい

12:53~
◇記者
先日提案されました18歳以下の子どもさんに10キロ相当のお米を支給するという事業に関係して、改めてちょっと細かい点を確認させていただきたいんですけれども、これは今後、補正予算を開会中の議会に上程していくことになると思いますが、そのスケジュール感としては、(12月)2日に議運がありますけれども、そのところで上程を考えられているのか、そういうお考えでよろしかったでしょうか。

◆吉村知事
はい。その考えで間違いないです。(12月)2日の議運で正式に上程をいたしますそして、その日の本会議に上程する、そして議会議員の皆さんにご議論いただくということになります。

◇記者
わかりました。あとは全体にかかる予算について、大体先日はおよそ80億円と見込んでいらっしゃったと思いますが、実際にその支給について必要なお金であったりだとか、事務的に必要なお金であったりだとか、そこの詳しい内訳というのは大体ざっくりと試算はされているのでしょうか。

◆吉村知事
ええ、ざっくりと試算はしています。それをこの今週の金曜になると思いますけれども、金曜日の議運で上程をいたします。

◇記者
今のところは現物の支給にかかる経費だけでいったらどれくらいかっていうのわかります?

◆吉村知事
まず、中間経費がどうしてもこれかかります。通常でも10 %から20 %ぐらいの中間経費がかかるというのが通常の事業になると思います。それは当然、見越したうえで米10キロ相当分をお配りをしていくということになると思います。これについても、どういった形で進めていくのか、その米10キロ相当分というのは方向性を決めてますけども、それプラス、当然、お米というのは値段も違ったりもしますので、選べるような仕組みにしていく。そしてそれが米10キロ相当分というのをベースにしながら、ある意味、米10キロというのを前提としてフィックスをさせていくのか、あるいは5,000円分という予算を組んでますので、5,000円をひっくくりにして組んでいくのか、さまざまやり方はあると思います。ベースは米10キロ相当分というのを考えて、5,000円相当というのを考えています。なので、これはまさに金曜日の議運に上程するときに報告させてもらうということになると思います。

◇記者
わかりました。

◆吉村知事
まあ選べるとしたら当然お米というのは種類が違いますから。値段の差も当然ありますので、どういうふうにしていくのか。予算としては、5,000円相当分というのは確保してますので、それを上程していきます。それを、そっち側の方をむしろ強調してフィックスするのか、米10キロの方をベースにして選べるようにしていくのか、色々選択肢はあろうかというふうに思っています。

◇記者
いずれにしましても、そのスキームといいますか、考え方としては、お米もお米で、どちらを、金額をベースにするか、現物の方をベースにするか別としても、お米もいくつか選べたりですとか、またお米じゃない、アレルギーとかのことを考慮してお米じゃないものも選べたりするのか。そこら辺は、もう、そういった選択制にするという方向性は固まっていると。

◆吉村知事
そうです。これはお米アレルギーの人もいますから、お米じゃない選択も当然取れるようにはしたいと思います。基本的には米10キロ相当分。そして、食費支援、食料費支援、特に子育て世代、子どもたちを支援するというのが政策の背骨になります。

 

 

 

 

この後、11/29と11/30の知事会見では、お米に関する質問はなし。

 

  11月25日~30日の大阪府議のツイート

 

 

予算審議が委員会付託されるかという懸念は、残念ながら的中します。

 

西野議員のQUOカードに関する質疑は、今回のお米10キロの配布を考えるうえでも重要になってきますので、書き起こしを最後に掲載しています。

 

お米配布の資料が載っていますので、参考になります。

 

 

 

 

 

 

 

  2022年10月5日(水)大阪府議会本会議 西野修平(自民)代表質問より

※大阪府議会の録画はこちら

QUOカードPayに関する質疑

  • 大阪府は2022年の夏にも、国の交付金を使って18歳以下に1万円のギフトカードを配布している
  • クオカードペイのダウンロード利用率は「企業秘密」
  • 利用されなかった残高は事業者の利益となる
  • 知事は子ども手当と対象が違うというが、以前に国からの交付金を活用して子どもたちに給付した事業があったので、そのスキームを使って現金給付にするべき

◇西野修平議員
臨時交付金を活用して実施した18歳以下の子どもたちに1万円のギフトカードを配布された事業ですが、我が会派は事務負担費用を抑えていち早く子どもたちの手元に届けることができるよう、市町村の子ども手当などのスキームを活用して現金給付することにこだわりましたが、府の判断でクオカードを配布することになり、基本的にはクオカードペイをダウンロードして利用することになりました。知事の、夏休みが終わるまでに配布したいとの意向を汲んで実施されたわけですが、夏休みが終わる8月末時点でどの程度利用されているのか伺います。また併せて、ダウンロード後にクオカードペイが使用できる有効期限は3年間です。当然ながら3年後には、127万人に配布された後に何人がダウンロードして、どれだけの金額が使用されたのかを明らかにする必要があります。事業者には9月13日付の書面で正式に依頼したとお聞きしておりますが、併せて福祉部長に伺います。

◆福祉部長
配布したクオカドペイの子どもさんが使用される用品の購入実績等も含めた利用状況についてですけど、まず配布実績につきましては、8月9日までにほぼ99 . 9 %配布しております。利用されたかどうかということにつきましては、おっしゃられた8月末時点で有効期限後である3年後についても事業者と協議いたしましたが、企業秘密に当たるので提供しない、できないという回答をいただいております。物価高騰の中で、子どもたちの支援を目的としてクオカードペイを配布しておりますことから、これまでも府のホームページやSNS等を通じまして、早期に使用されるよう呼びかけを行ってまいりました。引き続き3年間という期間に子どもたちのために確実に使っていただけるよう、さまざまな機会を通じまして、周知に努めてまいります。

◇西野修平議員
企業秘密に当たるから情報提供できないということなんですが、そもそもそんな契約になっているのは問題じゃないかなと思うんです。事業者との契約では、クオカードペイをダウンロードされずに利用されなかった場合や、1万円のうち全部使い切らなかった場合も、残りの金額分は最終的には事業者に帰属される仕組みになっています。つまり、それも事業者の利益になる契約なんですね。配るだけ配って、その後どれぐらい使われたかということがわからない事業というのは、今後このやり方、正しかったのか、それとも正しくなかったのかということを後々にどうやって評価するのかなって思うんですね。税金を使った事業ですから、当然、府民にも知る権利があります。この状況を知事はどのように考えておられましょうか。

◆吉村知事
まず現金での給付を主張されたということなんですけれども、例えば児童手当についても、そもそも対象範囲が違います。18歳以下全員にということの対象です。またこれも議会でも議論しましたけれども、この児童手当、そういった口座については、その目的のために口座を開示している以上、これについては使えないという前提です。ですので、本来、現金1万円を給付するために現金でやろうとすれば、その住民の皆さんとまず口座の確認をする、行って来いの確認をして、そしてその上で入金すると。ここに関しての間接的な経費、またこれは府民の皆さんの負担も含めて非常に大きなものがかかる、そちらの方が負担が多いという判断もありました。そういった観点からも、このクオカード、プリペイドカードをお渡しするという事業をいたしました。このプリペートカード1万円です。これは3年間という期間です。また、そういった事業スキーム、商慣習の中で契約が行われていますので、間接経費についても非常に送付料も含めて非常に大きくない額で、ここが抑えられているのが現実です。これはこの議会でも議論されたところです。それも含めての契約をしています。今度は府民の側からの立場ですけれども、1万円、そしてそれから3年間ということですから、3年間で子どもたちの書籍であったり、おむつであったり、ミルクであったり、そういうもので使っていただければと思います。

◇西野修平議員
知事すいません。ちょっと答弁が漏れています。私がお聞きしたのは、これ、税金を使った事業ですから、当然、どこまで使われて、そしてどれぐらいの金額が事業者に渡ったのかということは、当然我々の知る権利がありますから、後々、これ、この事業は正しかったのか評価しなくちゃいけないんですよ。ですから、全くその状況が見えないという、この契約の状況はいかがなものですかということをお聞きしていますので、もう一度ご答弁をお願いします。

◆吉村知事
これは経費も含めて、どのぐらいかかるのかということについては、全て公開をしています。また、送付料についていや、これ送付料の方が少ないじゃないのと、送付しているのになんでこんな金額でできるのというような議論もありました。この詳細については福祉部で把握して、皆さんもご存知のとおりだと思います。つまり、これはそもそもそういった商慣習上の企業秘密とものもある中で、じゃあ、大阪の府民の全ての子どもたちに、いかに経費を抑えながら、そして府民のみなさんにとってプラスになるかという契約をしたということですから、今もこの状況において、何か契約の中身を変更するということはあり得ないと思っています。

◇西野修平議員
私の質問にはちょっとお答えいただいてないんですね。ですから、この元々の契約状況が良かったのかどうかということもございますし、先ほど知事、もともと子ども手当の対象が違うということなんですが、以前に国からの交付金を活用して子どもたちに給付した事業がございました。そのスキームを使えば子ども手当をプラスして各市町村がお金を取りに来てもらったり、あるいはそういう対応をしたりということがもうすでに過去にできてますから、そのスキームを使えば大丈夫だということも市町村からも伺っていますから、これはやはり現金給付にするべきだというふうに思います。ただ、この後でお金の使い道がどこまで事業者に渡ったのかで分からないという、このことについてはやはり問題点があると思いますので、今後ちょっとさらに議論を深めていきたいと思いますので、次の機会にさせていただきたいと思います。

 

18歳以下へ1万円のギフト券、利用率わからず 理由は「企業秘密」:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 

大阪・子育て支援1万円ギフト券  「企業秘密」で利用率把握できず | 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

次回は、12/2の補正予算案上程の日の書き起こしです。