黒金魚ストーリー 10 ヒンメリ  | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

イロハ 1回こっきり 旧仮名弁 現代詩が、10篇になりましたので、タイトルをひとまとめにしてみました。

01 雪の降らない夜 02 居囃子 03 昼顔  04 月蝕 05 ガンジスの岸辺
06 毬藻 07 両国08 鵺 09 山櫻 10 ヒンメリ

第10
ヒンメリ     

ヒンメリ掛けて祝す
太陽の生(あ)れる 時節(とき)
おみな笑まむ 空へ
吾子に幸得ぬも…… 

帆船を夜居 櫓は刹(せつ) 


ひんめりかけてしゅくす
たいやうのあれる とき
おみなゑまむ そらへ
わこにさちえぬも……

ほぶねをよゐ ろはせつ


ヒンメリ:北欧フィンランドの光のモビールhimmeli
冬至を太陽が生まれる日(冬至祭)として祝うときの飾り物。
三角錐を二つ重ねた形の六面体を吊るして祝う。
おみな:嫗。老女。おうな。若い女は「をみな」。
夜居(よい):加持祈祷のために僧が一晩中傍に詰めること。
刹(せつ):悪い鬼の称。刹鬼。

ヒンメリを下げて願い事を————冬至祭。
老女が空に向かって微笑みかけている。
わが子が幸福なのかそれほど報われていないのか……それでも……

天(あま)駆(か)ける舟の、帆は僧が、櫓は鬼が、——

「冬至」はことしは12月22日だそうです。
すこし気が早いのですが、街はジグルベルやおせち料理で急き立てています。「黒金魚ストーリー」も、前倒しして……という気になるじゃありませんか。
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