いろは1回限りの歌、9回を数えます。画面がだんだんキレイになる予感がします。
慣れてきたのでしょうか。
山櫻
ほこる山ざくら彫(ゑ)り
愚か湯浴(ゆあ)むそち辺に
つて求めぬ
囲繞(ゐねう)せし飛檐(ひえん)よ——
われ随喜の
涙を拭けば……
ほこるやまざくら ゑり
おろか ゆあむそちへに
つてもとめぬ
ゐねうせしひえんよ
われずいきの
なみだをふけば
つて:手づる。手掛かり。
囲繞(いにょう): 取り囲むこと。
飛檐(ひえん):高い軒(のき)。飛宇(ひう)。
咲き誇っている山桜の模様の彫刻がとてもよくできあがったので、嬉しくなって入浴なさっていらっしゃるというのにあなたにご連絡を……。塀が取り巻いている高貴な方のお館。
お褒めのお言葉があり、あまりの有難さに感泣したのでした。
偶然を期待して辞典をひねくりまわして、ひねり出しています。「ヒエン」なんて言葉はなにも考えないでパッと開いたところにあったコトバです。そのコトバを基に物語をつくっていきます。そうすると狭い個人の思い付きなどよりテーマが広いバラエティに富んだストーリーが得られます。得られないときも多いですけど……